冬場に本番を迎える和歌山・串本大島のカワハギを、磯からの投げ釣りで狙いに出かけた。当日はアタリも少なく、食いはすこぶる渋い状況だったが、なんとか粘りに粘って、家族で食べる分のカワハギ4尾をキャッチする事ができた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・長谷川靖之)
ウイルス影響で釣りエサ不足
新型コロナウイルスの影響は釣りの世界にも影響を及ぼしており、中国からの輸入に頼っている投げ釣りのエサ(いわゆる虫エサ)の多くが日本の釣具店の店頭から消えてしまった。
私たち投げ釣り師にとって、特に痛いのはマムシ(ホンムシ)の調達ができない事だが、2月末から少しずつ輸入が再開され始めた。そこで事前にマムシを予約して、3月1日に和歌山・串本大島のカワハギ釣りに出掛けた。
串本大島で投げカワハギ釣り
3月1日深夜2時に、同じクラブのメンバーである長岡さんと西さんが、堺市の私の自宅まで迎えに来てくれる。荷物を積み込んで一路、串本町を目指した。
渡船の出船時間である午前6時前に串本大島の須江港に到着。日中は暖かくなるとの予報だが、明け方の冷え込みはきつく、防寒着を着込んで渡船に乗り込んだ。
ポイントは須江湾内で、串本大島南側の地磯と通夜島周りの磯だ。私は、水深が浅いがこれからの時期に実績のあるヨコヘラに、長岡さんと西さんはナギ崎の西に渡礁した。うっすらと夜明けを迎える中で、そそくさと準備に取り掛かる。
投げカワハギ釣りの仕掛け
当日のタックルは硬調子の投げ竿4.25mにPEライン1.5号を巻いた大型スピニングリールをセット。オモリは固定式のデルナーテンビン30号とし、その先に全長を70cmに縮めた吹き流しの2本バリ仕掛けをセットした。ハリはカワハギの吸い込み性を考慮して、スピニングB12号をチョイスする。
エサは苦労して調達したマムシと、前週の釣行で少し余ったアオイソメである。アオイソメは2、3匹をチョン掛けに、マムシは3cmくらいにカットしてハリいっぱいに刺す。
低水温に苦戦
ヨコヘラは前方にマグロの養殖イケスが設置されており、その下に大型カワハギが付いているとの読みで、イケスの際を狙う。
4本の投げ竿をセットできた時には、すっかり夜が明け切っており、朝の時合いに期待してアタリを待つ。しかし、待てども待てどもアタリが出ない。
回収したオモリを握ると非常に冷たく、付いたエサもそのままの状態で戻ってくる。水温が思った以上に低下しているようだ。
9時過ぎに待望のカワハギ
「今日はのんびりとアタリを待とう」と言う事で、持参したお湯でコーヒーを入れて飲みながらパンを頬張る。その後も魚の気配が薄く、時々キタマクラやトラギスが掛かってくるくらいで午前9時を過ぎた。
渡船店のサービスで磯がわりが可能なので、ポイント変更が頭をよぎり始めた時、当日初のアタリ。緩めていたドラグが短く滑って、その後も竿先がモゾモゾと動いている。
思い切って大きくアワセを入れると、魚が激しく暴れる感覚が伝わってきた。これは間違いなくカワハギだろう。途中からすんなりと寄ってきたのは、やはりカワハギで、ソロリと抜き上げた。
サイズは27cmの良型
メジャーを当てると27cm。まずは1尾目を手にできた。魚体は白っぽい回遊性の個体だったので、群れで回遊してきたかも?と他の竿先にも集中する。
しかし、期待に反して次のアタリが出る事はなく、再び静寂の時間に逆戻りした。そして2尾目のカワハギが釣れたのは、持参したお弁当を食べ始めたお昼前。アタリは間遠く・・・
これもドラグを短く滑らせるアタリで、同サイズがヒットした。エサはいずれもマムシで、しっかりとハリをくわえ込んでいた。
この調子だと、目標としていた2ケタ釣果は厳しい。「家族4人分で食べられる分だけでも釣って帰りたい」と言う事で、楽しみにしている磯の上でのお昼寝も中止。