那覇から飛行機で約1時間、船では約15時間の場所にある『南大東島』。船から上陸するにはゴンドラが必要で、周りには水深1,000m以上の深海が広がり、大物ばかりが釣れる「絶海の孤島」だ。独特過ぎる「観光」「食」「釣り」それぞれを紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:株式会社パム・コークリエーション)
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絶海の孤島『南大東島』
沖縄本島から直線距離で360km東に浮かび、「絶海の孤島」とも言われる南大東島。特殊な環境下でできたこの島は、築いてきた歴史や文化、釣りの方法も他とは少し異なる。
釣れる魚はオオマチ、アオチビキ、運が良ければキハダマグロやその他大型回遊魚などなど。大物ばかり釣れると話題の島で歴史ロマンを満喫しながらの釣りを楽しもう。
絶壁に囲まれた『南大東島』
南大東島は隣の北大東島と共に、太古の昔サンゴが隆起してできた環礁だ。そのため周囲全てが絶壁となっており、外海は急激に水深のある地形になっている。
隣の北大東島とは15kmしかはなれていないのにも関わらず、その間の海は水深1000m以上の深海が広がる。船に乗らずともアオブダイやハタ、サワラやキハダマグロが釣れることもあるという。
北大東島について:「陸からマグロが狙える?釣り好き必見の『北大東島』で観る・食す・釣る!」
珍しい上陸方法:『ゴンドラで吊られる』
島までは那覇から空路で約1時間、海路で15時間ほど。外洋が深海になっていて常に高波が打ち付ける港は、船を接岸することができないため物資も人もゴンドラに吊られての上陸となる。
隣の北大東島とは空路と海路の両方があり、空路は「日本一短い空路」と言われ所要時間は20分、片道3分ほどのフライトで行くことができる。
本土と沖縄の文化が入り混じる『南大東島』
太古の昔に出来たこの島だが、初めて人が移住したのは120年ほど前と、最近になってからだ。
八丈島出身の玉置半右衛門が1900年に南大東島を開拓し、燐鉱石の採掘で沖縄県内や台湾からの出稼ぎ労働者が集まった。そのため本土と沖縄の文化が入り混じり、豊年祭には沖縄本島では見かけない「神輿」が担がれたり、江戸相撲と沖縄相撲の両方が行われたりという独特な文化が作り上げられている。
悠久の時が生み出した神秘的な場所
鍾乳洞の「星野洞」は、必ず訪れたいスポットの一つだ。神秘的な景色に感動すること間違いなし。地殻変動で大地が裂けた「バリバリ岩」も、南大東島ならではの大自然を感じられるスポットである。
岩場の人工プール『海軍棒プール』
北大東島に比べてやや広い南大東島での移動はレンタルバイクが便利。ビーチの無い島内では、岩礁をダイナマイトでくりぬいて作ったという『海軍棒プール』で泳ぐことができる。海に面しているため波も魚も入ってくるというワイルドなプールだ。
『南大東島』の郷土の味
南北大東島を代表する郷土料理と言えば「大東そば」と「大東寿司」。地元の「大東そば いちごいちえ」では両方を一度で食べられるセットメニューも提供している。
夜は名物の深海魚「ナワキリ(クロシビカマス)」を酒の肴に舌鼓を打とう。
『南大東島』の釣り人に聞いてみた
現地で生まれ育ったタナカさんによると、島で一般的な釣り方は、まずムロアジを釣り上げて、それを生きエサにして大物を狙う泳がせ釣りだそうだ。
一年を通して釣れる魚はアオチビキ、ツムブリ、キハダマグロなど。寒い時期はマダラタルミが釣れることもあるが、比較的に冬から夏にかけてがアタリが多い気がしますとのこと。