プロのパーソナルトレーナーが送る「釣りに必要な体づくり」シリーズ。今回は「釣りに必要な上半身のストレッチ」を紹介。筋力トレーニングはなんとなく分かるけど、ストレッチが釣りに必要なの?とお思いのそこのあなた。目から鱗間違いなし!ぜひ読んでみて下さい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・宇佐美 岳洋)
目次
ストレッチの効能
エサ釣り、ルアーフィッシングに限らずどんな釣りでも間違いなく一番使う部位は「手」ですよね。「竿を支える」には「竿を握る」という動作が必要になります。
竿を握るために使う筋肉は、肘から手首までの「前腕」という部分です。「竿を振る」動作なら肘の曲げ伸ばしが入るので、肘から肩までの「上腕」という部分の筋肉をよく使います。
筋肉を使うということは、その筋肉を縮めることになります。特に「竿を支える」という動作は、筋肉を固定すること、つまり筋肉を縮めている状態にあたります。その状態が続くと筋肉が硬くなり疲労の原因になります。その疲れを取るためにこそ、ストレッチで「筋肉を伸ばす」ことを取り入れていきましょう!
ストレッチは誰にでも効果あり
ストレッチと聞くとネガティブイメージを思い浮かべる人も少なくないはずです。例えば、身体がカタい人にとってストレッチのイメージは「痛い」、「つらい」あるいは「苦痛でしかない」だと思います。
動かせる範囲には個人差はあれども、負荷さえ守れば、老若男女誰しもが柔らかくなります!もちろん毎日行って大丈夫です。
全種目、適度な負荷で30秒キープを2~3セット行うことが基本です。息を止めず、自然と呼吸するようにしてください。柔らかくしたい場合は、強弱をつけずに静止して行うと効果的です。
釣行前の準備運動としては、負荷の強弱を入れてストレッチするとケガ防止にもつながり、釣り始めから身体が動かしやすくなりますよ。詳しくは後ほど。モデルは前回に引き続き、海釣りが大好き!『食べうごダイエット』を勧める菊地将平トレーナーです。
1.前腕のストレッチ2種:握る力のケア
肘から手首までの「前腕」という部分のストレッチで、親指側と小指側を分けて伸ばすことができます。手首のストレッチは2種類とも無理なく行えば、腱鞘炎の改善にもつながります。腱鞘炎は基本的には痛いときは安静にして、ストレッチをするときには、気持ち良く痛いぐらいの負荷で行いましょう!
小指側のストレッチ
両腕同時に行える小指側のストレッチは写真で示す通り、手首を反らす(背屈)させるだけ。壁に手をついたり、イスや床に手をついて行います。
一般的に「手首が柔らかい」というのは小指側のストレッチのこと。書の達人は手首が柔らかい人が多いそうです。手首が柔らかいから「止め、跳ね、払い」が自在になるんでしょうね。釣りならロッドワークが自由自在になるはず!
親指側のストレッチ
親指側のストレッチは手首を内側へ折り曲げること(掌屈)に加え、腕を外へひねる(回外)動作が必要なので片腕ずつしか行えません。面倒なストレッチですが、スマホの操作し過ぎによる親指の痛み(テキストサム損傷)も改善できるストレッチなんです。ベイトリールのサミング疲れにもベストマッチ!
2.力こぶのストレッチ:竿を支える力のケア
このストレッチは普通に行うなら写真左側の格好です。「気をつけ」の姿勢から肘を伸ばしたまま、両腕を真後ろへ引いていきましょう。大物を釣り上げるために竿を支えるとき、そして、サカナで満タンの重いクーラーボックスを持ち運ぶときに一番使う筋肉のストレッチです。
え?「そんなことめったにないから必要ない」って?そんな事言わず、オリンピックイヤーの今年くらいでっかい夢をみましょう!
応用として、真ん中の写真は腕全体を肩から外ひねり(外旋)させていて、右側の写真は腕を肩から内ひねり(内旋)させているものです。力こぶは筋肉が二股に分かれていて、ストレッチをかけ分けたいときに行ってみてください。
3.二の腕のストレッチ:竿を振る力のケア
こちらは女性アングラーに朗報。二の腕が細くなるといっても大袈裟ではありません!
よくある二の腕のストレッチなら写真左側のように行いますが、右側の写真は手の甲が背中に向くよう「腕を外へひねる(回外)動作」を加えていて、二の腕が非常によく伸びますよ。こちらはオリジナルストレッチで、シェイプアップしたい人から筋肥大を目指す人、某プロスポーツ選手にも大好評!
肩関節が硬い人は無理しないようにして、単に引っ張るパターンと、腕を外へひねって手の甲を背中に向けるパターンの伸ばし比べをどうぞ!
寒い冬こそストレッチはオススメ
上半身のストレッチはいかがでしたか?見慣れたストレッチもあったと思いますが、ストレッチの重要性を日頃から説いているパーソナルトレーナーならではのアレンジで、釣り用のストレッチを紹介してみました。
冬場に釣行する人はもちろん、釣り初めが春になる人も春先は寒さの残る時期にあたるので、家を出る前や準備運動としてストレッチを取り入れると、身体のトラブル防止につながり、身体が疲れにくく、釣行時間が拡大し釣果アップが望めますよ!
釣りが終わった直後、寝る前、お風呂に入りながらのストレッチも疲労回復が期待でき、釣行翌日も快適に過ごせますね。ストレッチは筋トレと違い、「~ながら」で構いません。テレビを見ながら、人と話しながらで十分ストレッチの効果は得られます!
たかがストレッチ、されどストレッチ。どらめっちゃ体感がわかりやすいもんで、いっぺん習慣にしてみてちょ!!
『プロが教える釣りのための『筋力トレーニング』3選:腕&手』から読む!
『プロが教える釣りのための『筋力トレーニング』3選:下半身&体幹』から読む!
<宇佐美 岳洋/TSURINEWS・WEBライター>