寒波の到来でいよいよ寒くなってきた12月28日、昼から少し時間ができたので、和歌山の印南港へキス釣りに出かけた。水深のあるここならという読みは的中、18cmまでのキスを20匹仕留めることに成功した。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・牧野博)
印南港で投げキス釣り
寒波がやってきて、紀北周辺の釣りも全般的にイマイチのようだ。例年なら平日でも紀ノ川の両岸にはチヌ釣り師がちらほら見受けられ、良型も上がっているのだが、今年はまばらである。
紀北から南紀にかけては、北西の風に弱い釣り場が多く、飛ばし屋キャスターの中には、串本以東から熊野方面にかけて遠征する人もいる。いずれにしてもこの時期、キスは難しいターゲットだ。
しかし、12月28日、幸いにも季節風が弱まった。キスは寒波で深場に移動したと推理し、気温の上がる昼の短時間、水深のある印南港へ釣行した。
1投目から落ちギス
午前中の用事を済ませ、昼食をとってから阪和道を南下、印南港でサオを出したのは15時前だった。この日は昼から夕方にかけて上げ潮で、チャンスである。3時間以内の短時間釣行で、キスの動きをとらえられるか、一番湾奥の波止の折れ曲がったあたりから3色ほど軽く投げる。
今回はレトロザオを使用。専門ショップでKガイドシステムに改造してもらったものである。リールはトーナメントサーフZ45、ミチイトはPE0.6号にチカライトもPE0.6~6号、オモリはL型固定木オモリの28号、ハリはサヨリバリ4号(袖型)の4本バリ、エサはイシゴカイである。
地面にオモリが置きにくいので、ぶら下げでスリークウォーター気味に投げるが、ライントラブルは全くなかった。
1投目、さっそくキスの魚信がサオに伝わる。30数年前のカーボンロッドで、今のサオのように軽くないし、サオ先も太いが、ピンギスの魚信はしっかり伝わってきた。ガイドをかえてもらって使いやすくなったように感じる。
2投目、強い魚信をとらえることができた。ゆっくり食い込ませると15~18㎝のキスの3点、3色付近で一気に食ったようで、どうやら落ちギスが港内に入っているようである。距離からみて、ミオ筋にキスが居付いているようだ。
高活性なのは水温の安定が原因
失投しないように注意しながら少しずつ投点をずらしたり、潮目の出ている部分の少し向こうに投入してゆっくり引いたりしてキスを追加していく。17~18㎝の中型と、ピンギスが交じりながらサオ先を震わせる。
水温が安定しているためか、釣れてくるキスの魚体は温かく、活性が高かった。20㎝オーバーの良型は出なかったが、上げ潮のひとときはほとんど空振りなしでシグナルを送ってきた。フグや外道も非常に少なかった。
水面を見ると、フィッシュイーターに追われているのか、小魚の群れがせわしなく遊泳している。たまたまやってきたルアーマンに聞いてみると、たぶんメッキでしょうということだった。水温が下がりきらず、安定しているのだと思う。
最終釣果と今後の展望
この日は日暮れの17時半まで釣り、キスは18㎝までをちょうど20匹。短時間だがなかなか面白い釣行となったし、落ちギスの動きをとらえられたのが嬉しかった。
印南港は水深があり、年明けでもぽつぽつとキスの魚信を拾うことができる。船道には数は少ないが良型もいる。根掛かりに注意しながら超スローで引くと、ニアポイントで大きな魚信がくるときもあり面白い。なお、印南港は漁船や遊漁船の基地になっているので、トラブルを起こさないように注意が必要である。
1月中旬ぐらいまでは、2ケタ釣果も十分狙える。波止でグレを狙うアングラーやイカ狙いのルアーマンも釣行するようだ。防寒に注意してトラブルのないように楽しみたい。
<牧野博/TSURINEWS・WEBライター>
印南港