昨年の夏から好調が続いている東京湾のエサタチウオを、新春を飾る初釣りのターゲットに選び、1月2日(木)、東京湾金沢八景の鴨下丸から出船。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・大村隆)
羽田沖水深20mでスタート
鴨下丸の船長、女将、馴染みの常連に新年のあいさつをして、16人のタチウオファンとともに乗船。右舷トモ3番に座った。
7時20分、高山将彦船長の舵で出港。良型が集結しているという羽田沖を目指す。天候は晴れ。穏やかな北風でナギ。
航程40分で釣り場に到着。頭上には離着陸するジェット機が行き交い、アクアラインや海ほたるが望めるオープンエリアには各港からの僚船が三々五々集結。
配られた付けエサはサバの短冊。これを皮側の端中央3mmのところにハリ先を打って反転、身から皮側に抜き、ハリの上部までこき上げ、再び身の方へ真っすぐになるように刺し戻してエサ付け完了。曲がっていると海中で回転してしまいハリスがヨレて食いが悪くなる。
エサ付けを終えると、反応を捉えた船長から「どうぞ。水深20m、底上5mに反応があります」とアナウンスがあり投入。
低めのタナで船中連発
着底したらイトフケを取ってハリスの長さぶん巻き上げ、誘いのアクションに移る。穂先を海面から50cm幅でソフトにシャクリ上げ、上がったところで一拍おいてからリールのハンドルを半周巻き取りながら穂先を海面に戻して、再びシャクる。
この動作を繰り返し、指示ダナの上まで丹念に探る。アタリがなければ、再び底を取ってから同様に誘う。
早くも、右舷トモに座る常連の炭孝さんが巻き上げを開始。たびたび訪れる強烈な引きに竿はさらに湾曲し、やがて太いタチウオが魚体をくねらせながら浮上。落ち着いて竿を上げて引き寄せると一気に船中に抜き上げた。
同氏は、誘いの手が合っているようで、次投でも連釣。「タナは低めだよ」と教えてくれた。
筆者にも1尾目のタチウオ
教わった通りに低めを意識して誘っていると、竿先がモタレるようなアタリ。手を止めずに同じペースで誘い上げていくとクックッとエサを追っているような反応に変わり、なおも誘い続け、グイッと引きが伝わったところでアワせる。
根掛かりしたのかと錯覚するほど竿が上がらず、強引に竿を立てると、フワッと浮いた感触ののち、怒とうの引き。
引きの強さに合せてスピードを調整しながら巻き上げ、天ビンが見えたところで竿を立ててハリスを手繰り、十分に引き寄せてから腕をいっぱいに伸ばして抜き上げる。鋭い歯に注意して、首の根元を握りペンチでハリを外す。
タチウオの強引を堪能
左隣に座る前田さんは、同釣り初挑戦とのことだが、早くも5尾目の大型をゲット。「普段はアジやイシモチ釣りを楽しんでいますが、浅場でタチウオが釣れていると聞いて来ました。見よう見まねで誘っていますが引きの強さが半端ではなく夢中になりますね」と嬉しそう。
右隣の菅生さんも「浅場なので引きがダイナミックで楽しい」と満足気。
良型中心に次々顔見せ
次つぎとドラゴン級を抜き上げて好調の右舷ミヨシ3番の北川さんのシャクリを見ると、速さや幅などを変えながら、ヒットに持ち込む。「まだ2年ほどですが、この釣りは大分研究しましたよ」と言うように、納得のテクニックだ。
左舷ミヨシ2番の高津さん、胴の間の田島さんの2人の常連も絶好調。間で竿を出す石崎さんも奮闘。「アタリを誘発させる誘いや、食わせるまでの駆け引きが面白くて、掛かってからの引きも強いので大好きな釣り」とのこと。
脂の乗ったドラゴン級に期待
正午すぎ、誰もが存分に楽しみ、少し早い沖上がりとなった。船中釣果は80~105cm5~15尾。大型ぞろいでどのクーラーも重そうだ。
広範囲に大型の群れが認められたので、もうしばらくは浅場でドラゴン級が期待できそうだが、「幽霊魚」とも言われるだけに早めの釣行を勧める。脂乗り抜群のドラゴン級をキャッチしてほしい。
<週刊つりニュース関東版APC・大村隆/TSURINEWS編>