東日本を中心に甚大な被害をもたらした台風19号と、その後の大雨から1か月が経過。愛すべきオイカワたちは元気だろうか。11月9日と12日、埼玉県川越市の小畔川でオイカワを探った。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・小島 満也)
小畔川でオイカワ釣り
小畔川は、ムーミンテーマパークの開設地で知られる飯能市北部の人工湖である宮沢湖が水源の一級河川。同湖から発した流れは日高市、川越市を通過後、川越市と坂戸市の行政界付近で越辺川に合流する。延長は20km。上流部の飯能市や日高市で田園地帯を流れ、中下流部の川越市内に入ると、周囲の環境は住宅街を流下する都市河川へと姿を変える。
川越市内でオイカワの魚影は、上流部と比べて濃密。浅瀬続きの川相ということもあって、水面を流れる毛鉤へのオイカワの反応が良い。筆者のお気に入りの釣り場の一つだ。そのフィールドも10月12日午後9時半に氾濫危険水位に達した。
竿出し前にオイカワ発見!
11月9日釣行当日は、フライフィッシャーマンの竹下さんとともに、川越市内霞ケ関の吉田橋袂から水辺に下りる。ぽかぽかと暖かく、まさに陽気は小春日和。果たしてオイカワは姿を見せてくれるのか、不安と期待が交錯する。
橋直下はゆったりしたプール状となっており、覗き込むと、なんと無数のオイカワが河床近くでキラキラと盛んに身をひるがえしているではないか!「いた!。オイカワはいた!」。
実釣するまでもなく、オイカワを確認できたことに2人とも大感激、顔を見合わせる。この時点で目的の半分は達成できた。さあ、あとは元気に毛鉤に出てくれるかどうかだ。
高活性で毛鉤にヒット
付近の両岸は、遊歩道が並走しているので、ラインを伸ばすフライフィッシングやテンカラは、細心の注意を払わなければならない。散策を楽しむ人の通行の邪魔にならないよう、下流へ移動する。川岸の灌木類や背丈のある植物が下流側に倒れ、コンクリート製の遊歩道の路盤がめくれあがっているのが目に飛び込む。増水被害である。
遊歩道を覆った土砂は既に除去されているが、ところどころが陥没するなど爪痕が残っている。東武東上線の鉄橋が河川を跨ぐ手前の飛び石で右岸に移動する。落ち込みから数10mにわたって、トロ場状の流れが続く。
観察していると、浅場でパシャリと波紋。オイカワのライズだ!気温が上昇し、無風という毛鉤釣りには絶好の日並み。続けざまにライズリングが二つ、三つ出来た。
結んだ毛鉤は、テンカラの筆者が、グリーンボディの18番のソフトハックル、竹下さんは16番のカディス。
間隔を置いて並んでキャストを開始する。その一投目、川底から浮上してきた魚が水面の毛鉤を咥えた。10cmほどの銀白色がまぶしい元気なオイカワだ。竹下さんもかけている。互いに顔がほころんだ。