スーパーで見かける魚卵が誰の子なのか知っていますか?今回は代表的な魚卵について、そして、体調面で気をつけなければならないプリン体との関係について解説していきます。
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国内に流通している魚卵とその親を紹介
魚卵(魚の卵)は魚の数と同じだけの種類があり、「~こ」「~っこ」などと親の魚の名前の後ろにつけて、呼ぶことがあります。
その中で私達がよくスーパーで見かける魚卵はいくつかあります。
しかし、皆さんはこの魚卵が誰の子どもなのかご存知ですか?
馴染みのある代表的な魚卵をいくつか紹介していきます。
たらこ
皆さんご存知の「たらこ」。「~こ」の典型的な例ですね。
実は、皆さんが良く口にするタラ(マダラ)ではありません。実は、【スケトウダラ】という魚で、その生息域は北海道では全沿岸、本州では青森県〜和歌山県白浜の太平洋沿岸、日本海沿岸では青森県〜山口県までかなり広いエリアに生息しています。
一回の産卵数は50万~200万個で、魚な中でも多産であると言えます。
また産卵期(旬)は11月頃~5月頃までと期間は割と長いですが、スケトウダラの漁獲期が11月~1月頃になるため、新鮮なたらこが出回る旬もこの漁獲期と同様に11月~1月頃になります。
ちなみに、「明太子」もたらこですが、これは日本人が作った造語です。
韓国語で明太(ミョンテ)がスケトウダラを表し、明太の卵に『子』をつけて、明太子という造語が作られました。ちなみにスケトウダラの身鮮度劣化が早いため、かまぼこなどの加工品の原材料になっています。
かずのこ
こちらも「~こ」ですが、かずという魚がいるわけではありません。
親は【ニシン】という魚で、その昔、カド(鰊)と呼ばれており、カドの卵は「カドの子」と呼ばれていましたが、徐々になまって「数の子(かずのこ)」と呼ばれるようになった、と言われています。
ニシンは近年では北海道以外ではほとんど漁獲されなくなっており、スーパーなどで見られるニシンは、カナダやロシアの低水域で漁獲されたものを輸入したものがほとんどになっています。
ニシンは産卵場や産卵期、回遊範囲などによって系群が分かれていますが、1月下旬~6月下旬ごろまでに産卵し、沿岸の海藻に卵を産みつけます。
産卵数は大きさや年令によっても異なりますが、だいたい3万~10万個と言われています。
珍味として見かける「子持ち昆布」は、加工して作ったようにも見えますが、実はニシンが昆布に卵を産み付けたものです。
イクラ
みんな大好き「イクラ」ですが、この親は知っている人も多いですよね。
そう「サケ」です。
「~こ」の仲間ではありませんが、日本を代表する魚卵と言えるでしょう。
日本のイクラは「シロザケ」という種類のサケの卵が主流であり、産卵期は9月~1月ごろ。
産卵数は1千~6千個くらいと前述の魚たちに比べるとやや少なめです。
「イクラ」の語源は、ロシア語の「魚卵」「小さくて粒々したもの」から来ているとされています。
しかし、ロシアでは「イクラ」はサケに限らず、魚卵であればキャビアもたらこもすべて「イクラ」と呼ばれています。
ロシア人が粒状にばらしたサケの卵を「イクラ」と呼んでいるのを見た日本人が、これを「イクラ」と呼ぶものと勘違いしたのが発端と言われています。
からすみ
あまり馴染みがない食材かも知れませんが「からすみ」も魚卵の一つです。
日本三大珍味(からすみ、うに、このわた)の中で一番高級とされるシロモノで、その親は「ボラ」と呼ばれる魚です。
産卵期は10~1月頃とされ、4歳前後の成熟したボラは産卵期になると外洋へ出て南方へ回遊し、その先で産卵すると言われていますが、そのルートや詳しい産卵場所、産卵の詳細ははっきりとは解明されいません。
産卵数は約200万個ほどでスケトウダラと同じくらいの多産です。
ボラは日本ではほとんどの地域で漁獲することが出来ますが、海底の泥を吸い込んでその中から餌を取るため、身が臭かったりと評価があまり高くありません。
その中で、水のきれいな外洋に生息するボラは貴重であり、それゆえにその卵は大変貴重であると言えます。
また、卵の加工はかなりの手間を要するため、卵の希少さなどと相まってからすみは高価な代物とされています。