日本の代表的な『魚卵』4選 イクラは実はプリン体が少なかった?

日本の代表的な『魚卵』4選 イクラは実はプリン体が少なかった?

スーパーで見かける魚卵が誰の子なのか知っていますか?今回は代表的な魚卵について、そして、体調面で気をつけなければならないプリン体との関係について解説していきます。

(アイキャッチ画像出典:PhotoAC)

アバター画像 TSURINEWS編集部

その他 サカナ研究所

プリン体は体に悪い?

魚卵は総じてお酒に良く合います。そうなってくると気になってくるのが、近年よく耳にする「プリン体」です。

魚卵は「プリン体が多い」「コレステロールを多く含む」などというウワサが広がり、健康に気遣ってなるべく食べないようにしている人もいるのではないでしょうか。

特に痛風を患っている人にとってプリン体を多く含む食品は要注意であり、イクラを食べたくても食べられないと悩んでいる人もいるかもしれません。

しかし実はそれは誤解だったのです。

痛風になる簡単なメカニズム

プリン体は体内で分解されると尿酸に変わります。

尿酸は体内に常に存在していますが、作られる量と排出される量のバランスが一定に保たれるようになっています。

しかし、尿酸は排出されにくい性質を持っているため、一気に過剰に摂取してしまうと、グラスから水があふれるようにキャパを超えてしまいます。

すると溢れた尿酸は体内で結晶化してしまい、痛風の発作を引き起こしてしまうのです。

実際のプリン体含有量

痛風にならないための食事制限としては1日400mg以下の摂取が推奨されています。

食品100g中のプリン体含有量が多いものとしては、

【レバー類】210~320mg/100g
【白子】300mg/100g
【カツオ】210~270mg/100g(*参照:「公益財団法人 痛風・尿酸財団」http://www.tufu.or.jp/gout/gout4/447.html)

などが挙げられています。

ちなみにビールだと、

地ビールには10mg/100mL以上
地ビールには1本当り19~55mg/330mL
通常のビールには1缶あたり12~25mg/350mL
大瓶1本あたり21~44mg/630mL(*参照:「公益財団法人 痛風・尿酸財団」http://www.tufu.or.jp/gout/gout4/447.html)

プリン体が含まれることになります。

数字を見ただけでも、たしかに痛風のリスクが高くなることがわかります。例えば、晩酌に白子100gとビールの大瓶を2本飲めば、軽く一日のプリン体摂取量に届きます。

しかし、イクラのプリンの含有量は

【イクラ】3.7mg/100g

前述の食品やビールに比べてかなり少ないことがわかると思います。ちなみに50mg以下/100gの数値が極めて少ないとされています。ビールも極めて少ない基準内に入りますが、量を飲むと軽く一日の摂取量を超えてしまいます。つまりビール同様に、いくらも食べ過ぎはよくないと言えます。

気をつけるべきは塩分

イクラやかずのこなどの魚卵は基本的には塩漬けや醤油漬けなどに加工されています。

実は気をつけなければならないのはプリン体ではなくこの塩分です。

「プリン体を気にして良くなったー」と、たくさん食べてしまうと今度は塩分の摂りすぎで高血圧や腎障害の原因となってしまいます。

また、最近の研究では、塩蔵品をよく食べる人は胃がんの発症リスクが高くなるという研究結果も出ています。

旨味が強い、味が濃い、美味しい影には何らかのリスクがあります。

なにごともほどほどに…

食べ過ぎには注意しましょう。

<近藤 俊/TSURINEWS・サカナ研究所>