釣り天国の石川県「能登半島」。様々な釣り物の好フィールドが軒を並べるが、今回は、前打ちでのクロダイ釣り場を紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 APC・椿下利春)
能登半島の釣りフィールド
石川県は南北に縦長の地形である。 西側の外浦は、比較的波が上がりやすく影響を受ける。 加賀方面は砂浜が多くサーフでのキス釣りが有名だが、能登半島は磯場のフィールドとしてクロダイのフカセ釣りが盛んな場所だ。
一方、東側の内浦は、台風による北東の風が吹かない限り比較的に波が穏やかで、水深が深くカキの養殖が盛ん。イカダのカセ釣りが楽しめる水深があるワンドが多いフィールドだ。
クロダイの前打ち釣り
年間を通して能登半島への釣行だが、9~10月の間は大小の河口域や内浦の地波止で漁船及びプレジャーボート下に潜むクロダイに狙いを定める。 11月下旬から2月上旬の間は、外浦の磯で日本海の荒波にはがされた岩ノリを捕食しているクロダイを磯前打ちで狙っている。
内浦の釣りの特徴としては、基本的に大小の川が流れ込む漁港や波止に狙いを定めている。 七尾湾一帯では、通称明治橋が有名だ。 水門の内外を行き来するクロダイを狙うのが特徴だ。 また、中島の2級河川の熊木川一帯は、河口より2kmぐらいまでクロダイが上がっている。
能登半島に釣行するときは、移動距離が長いため南と北でポイントを分ける。 北側は鹿波漁港、曽良漁港、小甲漁港、もう少し北上して鵜川漁港、宇出津漁港までランガンする。 南側は先ほど説明した通り七尾湾、穴水湾一帯を、さらに能登島の漁港を攻めれば一日十分に楽しめる。
エサはカニを使用
いずれの場所も前打ちによる釣法で、エサはカニを使用する。 漁船下にウロウロしているクロダイが見え隠れしている場所がほとんどだ。 あまり海側へ体を出さず、船際へゆっくりカニを落とすと、中層でサオ先が入るアタリが出る。 係留ロープや船底でラインが擦れないように、サオ先を海中に沈めてやり取りしないとラインが飛ばされる確率が高く、スリル感が味わえる。
内浦は潮の流れがほとんどないため、最高でも2Bのガン玉を使用しカニの落下スピードを遅くした方がいい。 ラインが止まったときにアワセを入れ、やり取りを行う。
特に廃船の際が狙いめだ。 船底にはたくさんのカキや海藻が付着しており、クロダイの絶好のエサ場となる。 また、漁師が捨てる売り物にならない魚を狙っているクロダイも多い。
フィールドにあったサオを選ぼう
サオは45~53の前打ちザオを使用し、船首まで届かないときは超前を打つ場合が多い。 係留間隔が狭い漁港では、クロダイの最初の締め込みでサオが船に当たって折れるリスクがあるの注意してほしいが、そんな場所の方がクロダイの絶好の隠れ家となっておりアタリが多く取れる。
それぞれの漁港の駐車場所に注意し、立ち入り禁止看板、釣り禁止看板がある漁港は、くれぐれも入らないように。