秋の波止フカセ釣りは、クロダイの小~中型クラスの数釣りが期待できる。今回は、私なりの攻め方を簡単に紹介したいと思う。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 濵田晃行)
釣り座の選択
堤防やテトラ堤から狙う場合、ともにストラクチャー周りや潮に変化のある場所、まきエサのたまる所がポイントとなる。堤防の先端周りは潮の変化が多く、速い流れに翻弄(ほんろう)されることが多いが、意外と20mほど戻った所に反転流が発生し、釣りやすいことが多い。
堤防に沿って横流れになる場所は、潮止まり前後の流れが緩くなるときが狙いめとなるので、チャンスタイムが短くなることが多い。そのため当日の潮周りを事前に確認し、朝、夕マヅメが潮止まりと重なったときを狙えば、釣果に恵まれる確率がグッと高くなるだろう。
初めての場所に行くときなどは事前に情報収集し、潮やストラクチャーの場所、底の地形が砂地なのか岩盤なのか、知っておけば現場に着いてからあまり悩まずに釣り座を決めることができる。準備は怠らないようにしよう。
狙い方
実釣で私が一番気を付けていることが、まきエサの投入ポイントだ。底が砂地の場所が多く、1投1投を効果的に集魚に生かすため、ピンポイントに集中してまきエサを打つ必要がある。さらにシャクですくったまきエサをバッカンの壁に押しつけ、しっかり固めて海底まで届ける。
軽くすくい広げてまき、上層に濁りの煙幕を作る。軽くバラけさせて上から中層をゆっくり落として狙うなど、さまざまな変化をつけて攻めることができるので、釣果に直結する大事なアイテムと考えている。状況に合わせて投入できるように練習してもらいたい。
まきエサとさしエサの同調
タナを決めて攻める場合、仕掛けの投入場所はさしエサが常にまきエサの中にステイさせることを考えて、潮上から投入すること。潮が速いときは同調時間も短くなるのでダラダラと流さず、手返しを早くして攻めることをオススメする。とにかく確実にまきエサの中にさしエサがあることが重要なのだ。
全遊動
私が普段やっている釣り方は、ウキを浮かせたままでウキ止めなしの全遊動を多用している。これでもクロダイがアタってくればウキに変化が現れ、抵抗が少ない分食い込みがいいとの思いで実践している。しかし、これだけでは対応しきれるわけではない。
よくあるのが海面は速く、底潮がゆっくりといった二枚潮のとき。ウキ止めを付けてタナが取れたら沈んでいき、底潮に乗せてまきエサとさしエサのズレを少なくするときもある。
要は状況に合わせて、ピンポイントに打ったまきエサにさしエサを長時間ステイさせたいのだ。それによってクロダイがさしエサを口にするチャンスを多く作ることになる。これを肝に銘じて実践して釣果に結びつけてもらいたい。
釣り場保全
近年各地のポイントで釣り人の残したゴミが問題で、禁止区域が増えている事態となっている。中部地区も例外ではなく手軽に釣行できるポイントは人の出入りも多い分、ゴミが残されていることが目につくようになった。
さまざまな釣り方の中でフカセ釣りは集魚剤の袋やさしエサの入ったパックなどゴミが多く出る釣りでもある。釣り場でこれらのゴミが放置されたのをを見つけると、悲しくなり嫌な気持ちにもなってしまう。
持ち込んだゴミは責任を持って持ち帰り、最後に釣り座を洗い流して気持ちとともにスッキリした状態にして帰路についていただきたい。いつまでも楽しく釣りができるようにみんなで海を大切にしていきましょう。
<週刊つりニュース中部版 濵田晃行/TSURINEWS編>