埼玉県寄居町にある円良田湖が宙釣りの盛期に突入した。長竿チョウチン独特のカッカッカッズバッや、浅ダナでのスパッと消えるような消し込みアタリを楽しめる。近年アベレージサイズが大きくなっており、ヒット後の強引も魅力に拍車をかけている。人気釣り場なので混雑する日もあるが、それゆえに腕試しには持ってこい。持てる技量を駆使して、良型の数釣りを楽しんでもらいたい。今回は伊藤さとし氏が、おもに桟橋釣りについてガイドする。
概況
岩場と畑だった所にダムを造り完成したのは昭和31年。
そこから現在まで継続して放流が行われているため、魚影はすこぶる濃い。盛期はエサ打ち点周辺がヘラで真っ黒になるほどだ。また長い歴史があるので、思わぬ大型が潜んでいる魅力的なダム湖(準山上湖)と言えるだろう。
舟(ロープ着け)、陸釣り、桟橋と多様なスタイルで釣りが楽しめ、近年は宮沢湖が釣り禁止になったことで間瀬湖とともに人気にさらなる拍車がかかっている。
透明度が高く、チョウチン釣りをしていると途中から魚が上がってくるのが確認できるほど。
また不思議とここの魚は引きが強く、穂持ちや穂持ち下まで水中に突き刺さるシーンもたびたび見受けられる。
暑さ対策を万全にして、熱中症に気をつけて釣行してもらいたい。
桟橋ポイント
人気順に梨の木、常管の深いエリア、梅林、旅館前だろうか。駐車場から近いという理由も少なからずあるだろう。
どこも甲乙つけ難く、また特筆して釣れるという1級ポイント的なものも存在しない。空いていれば、どこでもアタリはもらえるだろう。
だが混雑すると様相は変わってくる。
魚のストック量が多い所、つまりは日ごろからエサ打ちされているエリアが有利になるので、結局は前述した人気順となる傾向はある。
いずれにしても特筆して浅いポイント(常管桟橋の一部)以外はどこも深場で、底がとれる所は少ない。宙釣りがメインになるので、ポイント差ではなく釣り方の違いが釣果の差となることが多い。
舟.桟橋.陸釣りとさまざまなシチュエーションで楽しめる円良田湖だがメインは桟橋で、しかもこれからの時期は宙釣りが主体となる。
浅ダナ
空いていれば竿は8~10尺で十分だが、混雑すると12~16尺は用意しておきたい。
タナはカッツケ~1本半。おそらくエサ打ちをしていると水面下に魚が見えてくるはずなので、この魚が食うようならタナは浅め。粒子を吸いあおるだけでハリが付いたエサに見向きもしないなら深めを狙う。
なお水面下に魚が見えないようだと、浅ダナの釣況はかなり思わしくないはず。
浅ダナはあきらめてチョウチン釣りに変更したい。
両ダンゴのタックル例…道糸0.8号、ハリス0.5号、ハリ上下ともバラサ5~7号、ウキは浅ダナ用パイプトップまたはPCムク。エサはカルネバ200㏄+凄麩200㏄+バラケマッハ350~400㏄+水200㏄。
チョウチン釣り
浅ダナほどの爆発力はなくとも、風流れなどの外的影響が少なくコンスタントに釣果を伸ばせるのがこの釣りの魅力だ。
竿は8~18尺。かなり幅が広いが、適正ダナを探るには最低でもこの範囲で竿を準備したい。
エサは魚の活性順に両ダンゴ、トロ巻き、角麸セットなどを使い分ける。
角麸セットではハリス上0.6号7~10cm下0.4号60~80cm、ハリ上バラサ8~9号下へらクワセ2~3号、ウキはグラスまたはPCムクのロングトップウキ。
バラケはバラケマッハ、段差バラケ各400㏄+水200㏄+凄麩200~300㏄の硬ボソタッチ。食わせは一発(極小)。
ワンポイントアドバイス
どんな釣り方を問わず、円良田湖の場合は食い気のある魚のタナがどこかをいち早く見きわめることが好釣果への近道だ。
たとえば曇天.雨天ならタナは浅め、逆に晴天なら深め。
だが同じ晴天であっても風が吹き水面がざわつけば、タナは上がりやすくなる。
適正ダナで釣っていないと触りが持続しないのはもちろん、エサ合わせが難しくなる。
また適正ダナの候補は一つとは限らない。水深のあるポイントに入れれば探れる範囲が広くなるので、できることなら水深がたっぷりある桟橋のさらに深いエリアに入釣したい。
<週刊へらニュース 伊藤さとし /TSURINEWS編>
円良田湖
料金:舟¥2800、桟橋¥2100、陸釣り¥800で放流バッジ持参者は桟橋を除き各¥200引き 桟橋のみ半日券¥1100(11時~)、女性.高校生以下¥800