外房大原の沖釣りの主役がヒラメからイサキに変わった。そこで、釣友の町田さん、伊澤さんを誘って、5月10日(金)に同港の大吉丸からシーズン初物を狙った。
当日の状況
この日、集まったのは私たちだけだったので、船長と女将にあいさつして右舷側に並び、私は操舵室の横に釣り座を構えた。
5時過ぎ、中田文彦船長の操船で岸壁を離れ、真沖のポイントを目指す。天候は晴れ、北東の微風で海上はナギだが、連日、南西風が続いた影響で水温低下が気になるところ。
当日のタックルと釣り方
30分くらい走ってスローダウン。
ビシにアミコマセを8分目ほど詰め、下穴は全閉。上窓を3分の1ほど開ける。付けエサはバイオベイトを三角に刻んだものを持参。これをハリのフトコロに付けてスタンバイ。
やがて、反応を捉えると軽く制動がかかり、
「はい、いいよ~。20mのタナでやってー!」と、投入の合図。
ビシを海面から22mまで下げたら、仕掛けを潮にナジませ、竿先をチョンとシャクり上げ、リールを1回転巻きながら竿先を海面に戻す。
再び、シャクり上げてコマセをまきながら指示ダナまで上げる。連続的にシャクってコマセの幕を作り、そのなかでエサの付いたハリが漂うイメージ。指示ダナ2m下からのシャクり上げを繰り返し、3往復したら巻き上げてコマセを詰め直す。
水温低下で苦戦の予感
3投目にコツコツと穂先に小刻みなアタリがきた。クックッ、キューンとくるイサキ特有のシャープなアタリにはほど遠い微妙な引き。静かに待つうち、アタリは消えてしまった。
やはり、水温低下の影響だろうか。船長に水温を訪ねると「15度」とのこと。底の水温はさらに低く、魚の活性は上がらないだろう。
「これは心して対峙せねば」と、気を引き締めて再投入。
良型イサキ30cmダブル!
タナで少し長めのポーズをとるうち、またもコツコツと小刻みなアタリ。ここから超スローで巻き上げてみる。
しばらく小さな反応が続いたあと、グッグイと少し強い引き込みがきた。聞きアワセ程度に竿先をソフトにあおり、さらに手巻きでゆっくりと巻き続けると、再びグイー。
力強い引きを竿の弾力で受けとめながら巻き上げる。サキイトが見えたところで、竿を立てながら引き寄せ、ビシをコマセオケへ。
ミキイトをたぐると、澄んだ海中から良型の黄褐色の魚影が2つ浮上してきた。十分に引きつけ、腕をいっぱいに伸ばし、仕掛けの魚に近いところをつかんでドサッ、ドサッと30cm超の良型イサキの一荷を抜き上げた。
食い渋りを楽しむ
その後、船長はこまめに移動を繰り返し、熟知している根を次つぎに探っていく。どの根にも群れは着いていたが、イサキ特有のあのシャープな引き込みは訪れない。
しかしながら、食いの渋いときほど、いかに食わせるかと、シビアなやりとりが楽しめるし、釣技向上の糧にもなる。
釣友たちにも食いが渋いことを伝え、駆け引きを楽しみながら、着実に釣果を伸ばしていく。
「これが大原サイズ!」と呼べるような大型が多いのも嬉しい。
好ゲストのメバルも
「おっ、強い引きがきたよっ!」の声に、ミヨシへ目を向けると、町田さんが円弧を描く竿を抱え、懸命に巻き上げている。
次々に抜き上げたのは、本命のダブルにメバルのおまけ付き。30cmほどの黄色味をおびた金メバルと呼称される美味そうな良型。
トモへ目を転じると、伊澤さんも真剣な面持ちで巻き上げている。こちらも良型イサキを取り込んで、「1尾目がハリ掛かりしてくれたので、スローで巻き上げたところ、2尾目が狙い通りに食いついてきたよ。」と、満足げ。
オケをのぞくとイサキのほか、メバルが2尾腹を見せていた。
根によっては、大型ウマヅラの入れ掛かりにも遭遇したが、船長いわく「鍋や刺し身のほか、皮を剥いだら軽く塩を振って焼いて食べると美味いよ!」と教えてくれた。