段々と気温も上がり、暑くなってくる6月。水槽に設置していたヒーターもそろそろ外そうかと思う方も多いと思います。でも、ちょっと待って!実はまだ外してはいけません。なぜ外してはいけないのか?解説していきます。
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ヒーターとは
観賞魚(熱帯魚)を飼育する上で必ず必要なアイテムがいくつかあります。
その一つが、水槽内の温度を一定に保ってくれる【ヒーター】。熱帯魚を一年中飼育していると、当たり前ですが、夏は水温が高くなり、冬は低くなります。
水温が低くなった時に、設定した温度(熱帯夜の場合は26℃付近)まで水温を温めてくれる非常に重要な装置なのです。
6月の水温は変化しやすい
6月といえば、梅雨に入り、ジメジメしていて、人間にとっては暑苦しい嫌な季節です。
「段々と気温も暖かくなり、水槽内の水温も日中は26度を下回らなくなったから、そろそろヒーターを外すか」そんな声が聞こえてくる時期です。
しかし、そう決断するのまだ早いかもしれません。6月はまだまだ気温が低下する日があったり、うっすら寒いと感じる時間帯もあったりします。
例えば【明け方】。
私達が寝ている間に気温はどんどん下がり、20度を下回っていることもしばしば。しかも、起きてきた頃には太陽も昇り、室温とともに水温も26度付近に戻ってきている。
このような感じで、気がつかないうちに水温が変化してしまいます。
水温変化で病気のリスクアップ
水温が安定しないと、水槽内の魚は病気(白点病など)のリスクを抱えてしまいます。
「水温くらい」と簡単に考えてしまう人も多いでしょうが、人間で考えてみたら納得していただけるかもしれません。
魚にとっての水は、人間にとっての空気です。
人間も暑い屋外から、エアコンのすごく効いた部屋に入ると風邪を引いてしまうことがありますよね。
これと同じなのです。
取り巻く環境が急激に変化することは、体にとっては非常にストレスであり、免疫力を下げてしまう要因になりかねないのです。
大事なのは最低気温と最高気温
気温とは一日の中で、かなり大きく変化するものです。膨大な水量のある自然界では、気温が変化しても、水温は急激に変化することはあまりありません。
しかし、水量の少ない水槽ではそうも言っていられません。気温が下がると、水槽内の温度もそれに合わせてどんどん低下していきます。
大事なのは、平均気温が何℃なのかではなく、最高気温と最低気温の落差がどれくらいなのか、ということ。
魚は急激な環境の変化に弱いと、先にも書きました。様々な状況の可能性を考慮すると、ヒーターを外すのは6月ではなく、もう少し先にするほうがいいでしょう。
<近藤 俊/TSURINEWS・サカナ研究所>