東海エリア屈指のフィールドとして名高い御前崎沖で、乗っ込みを控えたマダイが釣れ始めた。近年はこれをタイラバやスロージギングで狙うスタイルが注目されている。3月20日、静岡県御前崎市の御前崎港から出船している第八共栄丸に乗り、当地のタイラバとスロージギングを取材した。
ハタ類&マダイポイントで開始
午前6時半に出船。当日乗船したアングラーは、取材に協力してくれた長尾秀利さん、そして同船常連客の長尾秀樹さんだ。
大きなウネリを乗り越えながら進むこと40分、最初のポイントに到着。水深は80m弱。海底は岩場と砂地が混じるポイントで、根周りではハタ類やウッカリカサゴが、砂地ではマダイが食ってくるとのことだ。
御前崎沖は大型根魚の宝庫
探ることしばし、スロージギングで攻めていた長尾秀樹さんにアヤメカサゴがきた。その後もポツポツと根魚がヒットする。
様子見でジグをシャクっていた船長にも、重量感のある魚が掛かったが、途中でバレてしまった。おそらく2~3kgのハタ類か、大型のウッカリカサゴとのこと。
カサゴと聞くと、小さな魚という先入観があるが、ここ御前崎沖はひと味違う。前述のようなサイズのウッカリカサゴが結構上がる。もっと大きくなるマハタ、ホウキハタなら数キロサイズ、さらにはクエまでスロージギングで狙えるのだ。
タイラバで60cm超マダイ!
さて、魅力的だが根魚の話はさておき、今回の本命、マダイの話に戻る。
当日はウネリのせいで、船の上下動が激しく、巻きスピードをコントロールすることが大切なタイラバには不利な状況。だが、潮は動いているので状況は悪くない。
沈黙が続くなか、次に入ったポイントで、ついに長尾秀利さんがマダイを捉えた。「ジジジーッ」と待ちこがれたドラグ音が響く。丁寧なやり取りが続いたあと、海面に桜色の魚が現れた。
キャッチされたのは61cmの立派なマダイ。「魚がタイラバの後ろに着く感触が手元に伝わったので、気配があった底から10mまでを、次のトレースで意識して攻めました」とのこと。実にあざやかなヒットだった。
パターンつかみマダイ連発
さて、このあと状況が一気に好転。パターンをつかんだ長尾秀利さんは、45cm前後のマダイを2連打。
ジグとタイラバを使い分けて探っていた長尾秀樹さんも、4kg級のワラサやでっかいウッカリカサゴ、良型のアオハタなどを立て続けに釣果に加えた。
シーズン初期の不安定な時期に、しっかり結果を出してくれた2人に感謝するとともに、本番開幕を予感させる当日の状況に、今後の展望対するに期待が膨らんだ。