世界各地にある大きな湖。我が国と同じくらいの面積のものもありますが、なんとその多くが"消えて"行きつつあるといいます。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
死海が消えていく
突然ですが、世界で一番「しょっぱい湖」をご存知でしょうか。それは西アジア、ヨルダンとイスラエルの国境にある「死海」です。
死海(提供:PhotoAC)世界最大の断層谷の底にあるこの湖は、海面よりもはるかに低い場所に湖面が存在し、流れ込んだ水は流出することがありません。乾燥した気候の中で死海の水は干上がり、わずかに含まれていた塩分が濃縮されていった結果、いまではまるで飽和食塩水のような湖水になっています。
世界屈指の観光地となっているこの死海ですが、実はいま存続の危機を迎えています。近年の異常気象で降水が減っている上に、上流にあるヨルダン川の水利用量が増えた結果死海に流入する水の量が減り、蒸発する量を下回ってしまっているのです。
このままいけば、将来的には死海の面積はほぼ0になるのではないかと言われています。
ほぼ消えたアラル海
死海と同様に縮小した結果、今ではほぼ無くなってしまった湖もあります。中央アジアにあるアラル海です。
アラル海はかつて世界で4番目の大きさを誇る湖で、日本の東北地方と同じくらいの面積がありました。しかし、上流のアムダリア川とシルダリア川の流域で綿花栽培が盛んになり、水を使いすぎた結果アラル海に流入する水量が激減し、今では東京都3つ分程度の大きさに。まさに干上がりかけているのです。
かつてアラル海の一部だった場所(提供:PhotoAC)かつては豊かな漁場だった湖がなくなり、暮らしていけなくなった人々が去っていきました。加えて元々湖底だった土地の砂には、綿花栽培で使用した化学肥料や農薬の成分が溶け込み、風で舞い上がって人々の体を蝕みました。無茶な経済活動が結果的に多くの人々を不幸にしてしまった「世界最大の公害」としてアラル海の名は歴史に刻まれることになりました。
世界最大の湖も
同じように「小さくなっている巨大湖」の代表が、世界最大の湖であるカスピ海。中央アジアの幾つもの国に面し、その面積は日本と同じほどもあります。
カスピ海(提供:PhotoAC)しかしこの湖も現在は縮小傾向にあります。東岸中央にある巨大な入江であるカラボガスゴル湾はかつてソビエト連邦の作ったダムにより干上がり、その後ダムの撤去によって復活しましたが、カスピ海自体の水面低下により今後も消滅の可能性が残っています。
カスピ海の水面は歴史上何度か上下しているのですが、近年は一貫して低下し続けています。沿岸国のひとつであるロシアが流入河川に大量のダムを作っていること、そして地球温暖化により湖水の蒸発量が増えていることが原因と考えられています。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>

