釣りを始めた頃は、とにかくルアーが欲しくなる。店に並んだ商品を見ていると、どれも釣れそうに見える。だが、長く釣りを続けてきて、ようやく分かってきたのだが、ルアーは数を揃えればいいわけではない。むしろ狙う魚と釣り方を明確にして、それに合わせてメーカーの魚種専用品を選んだ方が、無駄な買い物は減らせる。安さや「何でも釣れる」という言葉に惹かれるより、最初から釣りの目的に合ったルアーを選ぶ。これが筆者自流の「賢いルアーの買い方」である。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
ルアーを買いすぎた20年
釣りを20年もやっている。ルアーは自然と増えてきた。新商品が出れば気になるし、釣具店で面白そうなルアーを見つければ試してみたくなる。もちろん、その中から実際に自分の釣りに定着するルアーもある。しかし、購入した時点では期待していたのに、結局ほとんど使わなくなるルアーも少なくない。
特に初心者の頃は「ルアーが多いほど釣れる」と考えがちだった。カラーを何種類も揃え、サイズも細かく増やし、魚種ごとに大量のルアーを持っていく。
だが、実際の釣行では、結局いつも使うルアーが決まってくる。釣れる実績があり、使い方も分かっているルアーを自然と手に取るようになるからだ。そうすると無駄も出てくる。
万能ルアーを追いかけない
ルアー選びでありがちな失敗が、「これ一つで何でも釣れる」という万能ルアーを探してしまうことだ。確かに、一つのルアーで複数の魚種を狙えることはある。しかし、何でもできるルアーは、逆に言えば特定の釣りに特化していない場合もある。
さらに安いルアーを大量に買って、「とりあえずこれで試してみよう」とするのも、長い目で見ると必ずしも得ではない。もちろん安価なルアーの中にも優秀なものはあるし、安いからダメというわけではないが、結果的に使わないことが多い。
使わなくなった中途半端なルアーたち(提供:TSURINEWSライター・井上海生)例えばチニングをするのであれば、チヌを狙うために設計されたルアーやワームから選ぶ。メバリングならメバルを意識したサイズやレンジのルアーを選ぶ。シーバスならシーバスゲームで実績のあるルアーを選ぶ。こうして対象魚を先に決めてしまえば、選択肢は一気に絞り込める。
魚種専用品には理由がある
メーカーが魚種専用として販売しているルアーには、それなりの理由がある。もちろん「専用品だから必ず釣れる」という意味ではない。しかし、その魚を狙うために必要なルアーのサイズ、レンジ、アクション、飛距離、操作性などを考えて設計されている。
最終これくらいに収まる(提供:TSURINEWSライター・井上海生)釣り人がゼロから「この魚にはどんなルアーがいいのだろう」と考えて試行錯誤するより、すでにメーカーが積み重ねてきたノウハウを利用した方が早い場合がある。特に自分が初めて挑戦する釣りなら、専用品から始めるメリットは大きい。
そして、ロストしないような技量を備えていれば、大量に揃える必要もない。魚種専用の実績あるルアーを数個持っておき、それを使い込む。カラーやサイズを必要に応じて増やしていく。それくらいでも十分に釣りは成立する。
釣り方が決まれば買う物も決まる
結局、ルアー選びは「何を買うか」よりも「何を釣るか」を先に決めることが重要だ。さらに魚種だけでなく、釣り方まで決めれば選択肢はもっと絞れる。「泉大津でチニングをする」「港湾部の深場をワームで攻める」「メバルを小型プラグで狙う」といった具合だ。ここまで具体的になれば、必要なルアーはかなり明確になる。
逆に「何となく釣れそう」という理由だけで購入すると、使う場面が分からなくなりやすい。釣具店では魅力的に見えたルアーでも、自分の釣り場や釣り方に合わなければ出番は減ってしまう。
20年釣ってたどり着いた結論
釣り歴20年。これまで数え切れないほどのルアーを買ってきたからこそ、今は「たくさん持つこと」に価値を感じなくなった。厳選したものを一つずつ買うほうがコスパがいい。
もちろん、ルアー選びに正解は一つではない。バスワームをチニングに流用するように、専用品ではないものが思わぬ結果を出すこともある。そうした遊びや発見もルアーフィッシングの面白さである。
試行錯誤の末の一本もある(提供:TSURINEWSライター・井上海生)ただ、基本となるルアーを選ぶのであれば、まずメーカーの魚種専用品から入る。それを使い込み、必要になったものだけを追加する。「ルアーをたくさん買う」のではなく、「釣りに必要なルアーを買う」、この考え方で、今後十年二十年のルアーフィッシングを続けていきたい。
<井上海生/TSURINEWSライター>



