2018年の台風20号で大きな被害を受けた「須磨海づり公園」は、大規模な再整備を経て2024年11月1日に営業を再開した。一般的には「リニューアルオープン」と表現されるが、以前とは釣り場としての性格も大きく変わったと感じる。そこで今回は、あえて「新生」須磨海づり公園と呼び、2026年夏の状況をもとに、釣り人目線でその特徴を解説してみたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)
2024年11月に営業再開
神戸市立須磨海づり公園は1976年に開園。ファミリーや初心者から大物を狙うベテランまで、多くの釣り人に親しまれてきた。
台風で全域が激しく損壊(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)しかし2018年、台風20号によって大きな被害を受けて休園。その後、使える施設は活用しながら再整備が行われ、2024年11月1日に営業を再開した。
入園受付事務所・売店(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)現在の釣り場は「北釣台」「西釣台」「南釣台」が中心。陸上には入園受付事務所・売店、海鮮食堂すま家、トイレ、手洗い場などが整備され、釣りをしない人も楽しめる施設へと生まれ変わっている。
営業時間や休園日などは時期によって変わるため、釣行前には須磨海づり公園の公式サイトを必ず確認してほしい。
なぜ「新生」と呼ぶのか?
私があえて「新生」須磨海づり公園と呼ぶのには理由がある。現在の施設は、以前の海づり公園を単純に縮小して再開したものとは少し違う印象を受けるからだ。以前にはなかった快適性と美観を備え、ファミリーや初心者も利用しやすい行楽施設になった。
駅・駐車場含む略図(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)一方、釣り場の規模が小さくなったことで、中・上級者にとっては以前とは違った難しさもある。以前の姿と比較するだけでなく、「新しく生まれ変わった釣り場」として、その特徴を理解して利用するのがよいだろう。
釣行前に知っておきたいルール
気軽に楽しめる海づり公園だが、利用にあたって守るべきルールがある。主なものとして、開園前に荷物や敷物を置いて順番を確保する行為は禁止。釣り場で使用できる竿は1人2本までとなっている。
須磨海釣り公園全体図(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)また、エサを使わず魚を引っ掛ける「引っ掛け釣り」や、集魚剤の使用も禁止されている。そのほかにも釣り方や場所ごとのルールがあるため、初めて訪れる人は公式サイトの注意事項に目を通しておきたい。
オレンジ矢印の順に開園待ち(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)人気シーズンには開園前から釣り人が並ぶこともある。入園受付事務所前では、床面のオレンジ色の矢印を目安に列を作る。入園後も前の人を無理に追い抜いて釣り座へ急ぐのではなく、トラブルにならないよう周囲への配慮を忘れないでほしい。
エサや仕掛けは事前準備が安心
レンタル釣り具や子ども用ライフジャケットは用意されているが、私が実際に利用して感じたのは、売店だけをアテにして釣行しないほうがよいということ。私自身、「あるだろう」と思って売店へ行ったものの目当てのものが見つからず、代用品を購入してしのいだ経験がある。
特にエサ釣りをする人や中・上級者は、必要なエサや仕掛け、小物類をあらかじめ準備して持ち込むことをお薦めしたい。
ファミリー・初心者向きの「北釣台」
入口から最も近い四角形の桟橋が北釣台。足場が広く、比較的潮も緩やか。売店、食堂、トイレ、手洗い場にも近いため、ファミリーや初心者にはまずここをお薦めしたい。
ファミリー向きの北釣台(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)小アジやイワシを狙ったサビキ釣りが定番だが、回遊魚だけに群れが来なければ釣果は望みにくい。そこでサビキ仕掛けだけでなく、ズボ釣りやミャク釣り、ちょい投げの仕掛けも用意しておけば、ベラ、ガシラ(カサゴ)、キスなど別の魚を狙うことができる。
「サビキがダメなら別の釣りへ」。これくらいの準備をしておくと、せっかくの釣行を楽しめる可能性が高まるだろう。
中・上級者向けの「西釣台」
北釣台からさらに沖へ延びる桟橋の西向きが西釣台。東西に流れる速い潮に対応する必要があり、中・上級者向けの釣り場という印象だ。潮に乗せるカゴ釣りやウキサビキ釣りではマダイやハマチなどが狙え、回遊次第では大サバのチャンスもある。
中・上級者向け西釣台(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)また、消波ブロック帯の近くではガシラやメバルなどの根魚もターゲットになる。南端の角は大物も期待できる好ポイントだが、入れる人数は限られる。混雑時には無理に釣り座を確保しようとせず、トラブル回避を優先してほしい。
青物狙いで人気の「南釣台」
最も沖側に位置し、東西に延びるのが南釣台。沖向きにはルアーマンが並ぶことが多く、回遊次第ではハマチやサゴシ、さらにブリやサワラといった大型青物も狙える。エギングでイカを狙う人もいる。ただし、ここも東西に流れる速い潮への対応が必要だ。
南釣台沖向きはルアーマンが好む(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)エサ釣りでも、潮の緩むタイミングや釣り座を見極められる経験者なら、ブッ込み釣りなどで魚を狙える。一方、混雑時に初心者が入ると、速い潮で仕掛けが流されて隣の釣り人と絡む可能性もある。ファミリーや初心者なら、無理に沖へ出ず北釣台から始めることをお薦めしたい。
西釣台南端の角付近は上級者向け(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)弱点は釣り場の収容力
「新生」須磨海づり公園は、美観や快適性という面では非常に魅力的な釣り公園になった。その一方、釣り人目線で最大の弱みと感じるのが、釣り場の収容力だ。
危険な魚への注意横断幕(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)混雑する日には入場制限が行われることもあり、好釣果が出ている時期には限られたポイントへ釣り人が集中する。せっかく訪れても希望する釣り座に入れず、思っていた釣りができない可能性も考えておいたほうがよい。
少々ネガティブに聞こえるかもしれないが、釣り場が限られている以上、ここは釣行前に知っておきたいポイントだ。
事前の情報収集が重要
初めて訪れる人は、釣行前に公式サイトで営業時間や注意事項、最新の釣果情報などを確認してほしい。
釣れる魚の例(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)「今は何が釣れているのか」
「自分がやりたい釣りに適した釣り台はどこなのか」
「混雑しそうな日ではないか」
こうしたことを考えてから出かけるだけでも、現地で戸惑う可能性は減らせる。
特に中・上級者の場合、初回は釣果だけを求めず「下見」のつもりで施設全体を見て回るのも一つの手だ。快適な行楽施設として生まれ変わった「新生」須磨海づり公園。以前とは違う釣り場になったからこそ、その特徴を理解したうえで上手に付き合っていきたい。
<伴野慶幸/TSURINEWSライター>


