低水温にたまたま釣れたではなく、型モノを長竿で狙って釣る。このシチュエーションにピタリとハマるのが千葉県八千代市を流れるだろう。とくに通称・ヘドロと呼ばれる道の駅やちよ周辺の左岸帯は低水温期こそ狙い目。浅場だからこそ良型が回遊する。そう信じてエサを打ち続ければ、きっと納得の1枚に出会えるはずだ。さあ防寒対策を万全にして出かけてみよう。
印旛新川の概況
道の駅やちよの真下付近(水平護岸は除く)から桑納川までの左岸をヘドロと呼び、低水温期に限っての好ポイントだ。
年明け以前は好調だったが、その後の高気温で不調に。再び復活するも2月上旬の降雪以降はまた低迷し、ここにきて晴天低気温が続いたのでやや復活の兆しが見え始めている。いずれにしても気温の変化が釣況に大きく影響し、暖かい日よりも寒くて風が強い日(水面が波立つ)のほうが実績が高い。
また釣れ出しが極端に遅く、1回目の時合いが11時前後、次に14時前後で不思議と夕暮れ時はアタリが減るかマブナなどのゲストが増える。
これらはあくまで傾向であって絶対ではない。
16時半過ぎから本命がアタリっきりになったりもするので、できればウキが見えなくなるまで粘ってみたい。
なお晴天無風の、いわゆる釣り日和と呼ばれる日は、ヘドロに限っては最悪の気象条件。強風・曇天・雨・降雪中など水面に対する魚の警戒心が薄れるような釣り人にとって厳しい条件ほど、ここでは好条件となる。
ポイント解説
18~27尺竿ラインまで水深が1本~1本半弱で、対岸や周囲のエリアに比べて極端に浅いのが特徴。
冷え込みが増すほど、この浅場に魚が居着く傾向が強い。逆に水温が高まると魚が抜けてしまうので、釣期は3月上旬前後と見込まれる。
対岸にポンプ小屋がある位置がいいとか、高圧線の下付近がいいなどと言われるがあくまで過去の実績であって、初釣行の人が重視すべきは直近の入釣状況だろう。
できれば釣り座跡が新鮮でかつ周囲にもそれらしい(オモリが落ちているとか)跡が複数あるなら、そのエリアは直近でエサ打ちがされている可能性が高いので狙いめだ。
印旛新川でのタックル
竿18~27尺の中・外通しの両グルテン。これがヘドロを征するセオリーだ。詳細を見ていこう。
ロッド
概況で解説したとおり、強風下でも振れる竿が求められる。ある程度の重量と穂先・穂持ちを中心とした竿のパワー、そしてロッド長に合った適正な長さの竿掛け。
これらをバランスよく用意すれば、通常の釣り場では悪条件と言われるなかでも終日竿を振っていられる。こと印旛新川に限っては超軽量ロッドがすべてではない。またタスキ・回し振りでの振り込みのコントロールも要求される。
ライン
コイがハリ掛かりしてくることがあるので道糸1.2号以上、ハリス0.6号以下が安心。
根掛かりは少ない。なおハリス長は25~40cmを基準に流れが緩ければ20~35cm、長めのハリスで好反応の場合は35~50cmにする。
オモリ
流速と振り込みに必要な重さを考慮して号数を決める。0.5~1.5号を準備すればいいだろう。中外通しは好みで構わない。
ウキ
流れにシモられない、トップの視認性。この2点が絶対条件となる。ウキがシモってしまうからとウキ下を深くすればするほどアタリの伝達性は悪化する。よって流れに負けない浮力とウキのシルエットが求められる。
また午後になると逆光気味になり視認性が著しく悪化する。アタリを判別できる最低限の太さのトップも必要だろう。
なお何をどう対策してもトップが見えない厳しい条件もあるので、スコープを持っていると安心だ。
ハリ
型物狙いだから大バリでいいとはならないのが、ここの釣りの特徴のようだ。
バラサを基準にするならアタリが頻繁な場合は8号、少ないなら6号を基準にしよう。なお上下のサイズは同じで構わない。
エサ
余計な魚を寄せたくないので両グルテンが基本。
開きでアピールするのか集魚成分か、それともその両方かなど、流れの強さと相談しつついろいろ試してみるといいだろう。
以下は一例。
開きタイプ…グルテン四季1+水1
集魚タイプ…野釣りグルテンダントツ1分包+水35~40㏄
開き+集魚+食わせ…いもグルテン、新べらグルテン底、アルファ21が各30㏄+水100㏄
どれを使うにしても、待てないエサはよくない。
ドボンなのでバランスほど抜けは早くないが、それでもしっかり持っていると確信できるブレンドを使うことが大切だ。
<週刊へらニュース版 伊藤さとし/TSURINEWS編>
印旛新川
入釣料…八千代橋から下流は無料