東京湾、伊勢湾、大阪湾や瀬戸内海など、各地で盛り上がるサワラキャスティング。ミノーやブレードジグなど多彩なルアーを使い分けるうえ、状況次第では根気も求められる釣りだ。そこで重要になるのが、ルアー・釣り方・ロッドのマッチング。適したロッドを選べば攻略精度が上がり、結果として釣果にも直結する。今回は、伊勢湾のサワラゲームに精通したエキスパートの実釣を通し、その攻略を支える最新ロッドを紹介する。
（アイキャッチ画像提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）
TSURINEWS編集部
エキスパートによる実釣
取材日は11月下旬。三重県津市の津港から出船するガイド船・鬼丸に乗り、キャスティングでサワラを狙った。アングラーはフィッシング遊の堀智仁さん。ライトゲームからビッグゲームまで幅広くこなし、とくに伊勢湾のサワラキャスティングに精通した人物だ。
サワラハンターの堀さん（提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）フィールドの状況
取材時のベイトは10cm前後のイワシ。ルアーゲーム向きのサイズではあったが、ここ最近はボイルが減り、ブラインドゲーム（表層に魚の反応がない状況）中心の展開が続いている。魚探のベイト反応を頼りに、ヒットするまで投げ続ける根気が必要な状況だった。
乗船した鬼丸（提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）ブレードジグでゲーム開始
出船後、しばらく走って船長がサワラらしき反応をキャッチ。水深は約30mで、ベイトはボトム付近。堀さんはまず堅実にブレードジグを投入し、広いレンジを探る戦略を選んだ。
タックルは堀さんが開発に携わったロッド、オリムピックのプロトンBC・25 GPTNS-742ML-BC-SAWARA GAMEと4000番クラスのスピニングリールの組み合わせ。
ブレードジグでキャスト開始（提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）ファーストフィッシュ登場
数投後、堀さんのロッドが曲がる。寄せてから船下でひと暴れしたものの、巧みにいなしてキャッチ。ファーストフィッシュは50cm超のサゴシだった。
手慣らしでサゴシを一発（提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）待望のサワラ登場
サゴシをキャッチしたあと、船は風を上りポイントを流し直していく。すると間をおかずにヒット。先ほどよりも重量感があり、船下へ突っ込んで強烈に抵抗するお約束の展開。
しかし7ft4inのレングスがラインが船底に擦れるのを防ぎ、しなやかなブランクスが首振りや急な方向転換など、相手の挙動にしっかり追従しバラシを防いだ。こうして無事にネットイン。80cmクラスのサワラをキャッチした。
長さがあれば船ベリの攻防も姿勢が楽（提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）サワラはネットイン直前にバレやすい。海面で首を振ったときのハリ穴のテンションの変化と、船下に入ったときのラインと船底の擦れが主な原因だが、プロトンBC・サワラゲーム742MLはこの攻防戦をしっかりカバーしてくれるロッドだ。
見事サワラをキャッチ（提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）プロトンBC・サワラゲーム742MLの実力
このロッドは、伊勢湾で多用される9〜16cmのミノーのジャーキングから、45gまでのブレードジグによる釣りを1本でこなす設計。堀さんの豊富な経験を基に、必要な要素を凝縮して完成したモデルだ。
プロトンBCサワラゲーム（提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）・操作性
・投げやすさ
・船べりの高さに対応するレングス
・船下への突っ込みへの耐性
・巻きとジャーク双方の使いやすさ
これらが高いレベルでまとまっている。また、しなやかなブランクスはサワラの急なダッシュや首振りを吸収し、バラシを軽減する。
曲がり込みつつもバットは残る（提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）さらに、よく曲がるブランクスとこのロッドの素材であるグラファイトの高い復元力は、ふり幅が制限されるアンダーキャストでもロッド自体の曲がりと反発力でルアーを遠くに飛ばしてくれる。
アンダーキャストでもよく飛ぶ（提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）このほか、サワラの歯対策にファイティングリーダーやスペーサーリーダーを入れた場合のキャスト時のイト抜けも考慮し、口径の大きなガイドを使用しているのも特徴だ。
イト抜けの良さを考慮したガイド径（提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）なお、このモデルのほかにも、比較的小さなプレジャーボートや乗合船の狭い胴の間でも使いやすい長さの632ML、深場のブレードジギングにも対応した702Mなど兄弟モデルもラインナップされている。
632MLの実釣動画
702Mの実釣動画
