いよいよ3月だ。サオを磨いて仕掛けを巻く日々から卒業だ。諸君、いい釣りをしようではないか。さて3月解禁河川の紹介だが、今年も私は岐阜県恵那市は恵那漁協管内の付知川を紹介させていただこう。
付知川の概要
付知川は、言わずと知れた木曽川の大支流の1つ。
大岩で囲まれた素晴らしい景観とジンクリアで豊富な水量を誇る天下の名川だ。
中央高速中津川インターからも近く、R256と並走しているため入川が非常に楽。私のお気に入りの河川の1つである。
近年、尺アユに会える川として全国にその名を轟かし、シーズン最盛期には全国からの巡礼者があちこちでサオを差す姿を見られるが、アマゴ釣りの河川としてはどちらかと言えばマイナー河川。夏の現場で本流師に出会うことはまれである。
恵那漁協管内では、残念なことに成魚放流事業を数年前から停止している。理由は諸々あると思うが、私のような大物思考の釣り師には痛手…と思っていたが、昨シーズンも数匹の尺上を手にすることができ、その心配は杞憂であったと安堵した。
付知川育ちのアマゴ
恵那漁協は以前より、100%付知川育ちの美しいアマゴの育成に取り組んでおり、管内の各河川にアマゴの発眼卵放流を行ってきた。これに加え、十分な量のイワナ、アマゴの稚魚放流もなされている。
木の根のごとく伸びた各支流での自然産卵も合わせ、私たちの期待に十分応えてくれる河川であると断言できる。
漁協の放流事業とは異なるものの、3月31日に、田瀬地区で「ふくおかアマゴ釣り大会」が開催されている。
昨年は予定外の大水で開催が見送られてしまったが今年はそんなことはないだろう。詳しくは漁協のホームページをチェックしてもらいたい。
放流量も多く、釣り残しは大会開催場所下流部の「彦さ淵」に落ちる。
見える魚は釣りにくいが、われこそはという上級者は、初期のトレーニングを兼ねて出かけてみてはいかがだろうか。
付知川の最盛期は?
本格的な付知川の盛期は5月の声を聞いてからになる。セミが鳴くころには前川に散らばる大淵小淵に大物が潜み、尺クラスもターゲット。
先述の通り付知川は、アユ解禁後にはアユ師の銀座で本流師は極少。淵に追われた大アマゴを狙いやすくなるのだ。
上流は家族連れ向き
ローマンキャンプ場より上流ならアマゴの釣り場となるが、魚は田瀬地区より上流が濃い。塔の岩橋直下の深瀬は、駐車スペースも大きく家族連れにもお勧めできるポイントだ。道の駅花街道ではトイレも完備し車中泊も可能。
R256沿いにはコンビニも多く、入漁証やランチの入手も手軽だが、ミミズ・ブドウムシ・イクラ以外のエサはあらかじめ準備するのが望ましい。サオは極端な上下流でなければ7mで十分事足りる。
基本的に川沿いは側道が付いており、車で付近まで行くことは可能だが、駐車スペースは限られるので他の交通への配慮をお願いしたい。
まとめ
川底の白さを映してか付知川のアマゴは白さが際立つ美しさである。尺を超える個体では薄墨のようなパーマークにルビーのように朱点が散り、筆舌に尽くしがたい魅力がある。
夏の大水の後は出会える確率がアップする。その際には太めのハリスを忘れずに。
<週刊つりニュース中部版 APC.三重渓流倶楽部 冨田真規 /TSURINEWS編>