ボートから楽しむマゴチゲームは、ほぼ年間を通して楽しめ、ワームからハードルアーまで多彩なルアーで攻略する奥の深さも魅力。今回、全国的にも有数のマゴチフィールドである伊勢湾を舞台に、ガイドボートの船長に聞いた攻略マニュアルのほか、ボートゲームを幅広く楽しめる魅力的なロッドを紹介する。
（アイキャッチ画像提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）
TSURINEWS編集部
マゴチの生態と捕食
マゴチは砂底のカケアガリ周辺や、ストラクチャーが散在している場所を好む。キスやイワシ、ハゼなどの小魚、エビやシャコも捕食する。同じく底を住処としているヒラメと比べ、エサに飛びつく射程距離は短く、基本的に底から50cm以内が捕食ゾーンと言われている。
また、活性が鈍いときは食い方も繊細。加えて食った後に反転せず、エサを咥えてそのまま着地するため、ジグヘッドで狙うと意外にフッキングにコツがいる魚だ。
ゲームの奥深さから人気上昇中のマゴチ（提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）伊勢湾で実釣
フィールドを訪れたのは7月上旬。実釣を担当するのはオリムピックの前神さんと奥戸さん。乗船したのは愛知県常滑市にある苅屋漁港のオールレイド。マゴチのほか、季節に合わせてサワラやシーバス、アオリイカなど多様なターゲットを追いかけてくれるガイドボートだ。
フィールドとなったのは中部国際空港周辺の水深5～7m台の場所。底は砂地でカケアガリが形成されているような場所を、船を流しながら探っていった。
オールレイドの中島キャプテン（提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）伊勢湾の対マゴチルアー
伊勢湾は全国でも有数のマゴチフィールドで、魚影が濃く大型も多い。60cmアップはよく出没し、70cm級の実績もある。狙うポイントは水深3～10mぐらい。今回の常滑沖では25g前後をメインに、15～40gのジグヘッドやワインドヘッドを使用する。
また、ワームはシャッド系やストレートタイプの4inch前後が使われ、オールレイドの中島キャプテンの推しカラーはラメ入りの赤金。このほか、アピール力のあるチャートバックや、ベイトに合わせたブルー、パンプキン系のラメ入りも好適だ。
基本となるリグやワーム（提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）実釣開始
朝マヅメ、満潮からの下げ潮でスタート。前神さんと奥戸さんは、早朝に食いが立った個体を狙うべく、ボトムワインドによるジャーク＆ストップや、ジグヘッドリグのリフト＆フォールでボトムから30cm以内をトレースするように探っていった。
トントンとジャークしては、ストップを入れる奥戸さん。ロッドはオリムピックのアルジェント・プロトタイプ GARGPS-702ML/M。シーバスに照準したロッドだが、引き締まったブランクスがキビキビとしたワインドの操作をしっかりこなしている。
アルジェント・プロトタイプ702ML/M（提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）ワインドもこなすボートシーバスロッド
このロッドは40gまでのルアーのキャストに対応したボートシーバス専用設計モデル。シーバスの激しいエラ洗い＆首振りをブランクス全体がしなやかに曲がって吸収する一方、大型シーバスをストラクチャーから引き離す強いバットを備えている。
この特性が、同じく首振りによるバラシリスクがあり、口が堅くフッキングが決まりにくいマゴチやヒラメを相手にするのにピッタリ。また、20～40gのジグヘッドやワインドヘッドを使うマゴチゲームでは、キャストウェイトの面でもベストスペックだ。
理想的なカーブを描くブランクス（提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）なお、このロッドには様々な握り方にフィットする同社オリジナルリールシート「OP-02」を採用しており、軽快なサオ捌きから、握力が必要なパワーファイトまでやりやすい。
OP-02装備のグリップ周り（提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）ちなみに、流行のビッグベイトに対応したベイトモデルGARGPC-682MHもある。ボートからのビッグベイトを用いたゲームに興味のある人はぜひチェックしてほしい。
分担してヒットパターンを探る
ボートゲームは2人以上で出かけることが多いだろう。そんな場合は分担してヒットパターンを探ったほうが効率的。奥戸さんがワインドで攻める傍ら、前神さんはリフト＆カーブフォールで探っていく。
この誘いでは着底感度が重要だが、アルジェント・プロトタイプのティップが、着底のたびにトンと戻り、着底を明確に知らせてくれる。ルアーの位置を的確に把握するために、着底感度は欠かせない要素だ。
ロッドを立てカーブフォールで誘う（提供：週刊つりニュース中部版編集部・五井）
