今回は三重県・鳥羽沖へ釣行。中部エリアでは珍しく、瀬戸内さながらの浅場急潮エリアのスリリングなタイラバを楽しんできた。当日の様子と合わせて気づいたことなどを述べたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・原田順司)
岸から近いポイントに移動
移動したのは、鳥羽市街が見える湾奥のポイント。定期船のアナウンスが聞こえるほどの近さだ。初めて来た人なら、こんなトコで本当にタイが釣れるの?と聞きたくなるような岸から近いポイントだ。
ただし、菅島、答志島に囲まれ3方向から寄せる潮で、流れは非常に複雑。にわかには信じがたいが、岸からすぐ近くのそんな流れの中に良型マダイが潜んでいるのだ。
シンカー80gでじっくり攻めていくと、相も変わらず私はショートバイトとバラシの連続。3本フックを入念にチェックするが、ハリ先もなまっていないし歪んでもいない。
良型ヒットするもバラシ
そんななか、数回目の流しで私に待望のビッグヒット。ガガンッときて直後に一気に5mほどラインを引き出した。こんなファイトをするのは間違いなく良型。
潮に乗った分を差し引いても、十分すぎるサイズと踏んだ。何度も首振りを見せるたびに、バレないかもうヒヤヒヤ。こんな心臓に悪いタイラバはなかなかないだろう。
一進一退の攻防の末、後少しでリーダーが入るというところまできた。ここまでくれば大丈夫だろう……と思った矢先、ティップが勢いよく跳ね上ってしまった。もう言葉なさすぎて、ぼうぜんとしている横で出口名人も残念そうな顔。
最後を飾った50cmマダイ
その直後、トモの森国さんのリールからドラグ音。こちらもサイズが良さそうだ。やがてネットインしたのは、50cmクラスの見事なマダイ。会心の1匹に笑顔がこぼれる森国さんだった。
そしてここで終了。船中釣果はマダイ8匹だったが、バラシは数えきれないほど。私にいたっては10発以上アタリがあったのに、取り込めたのは1匹だけ……。毎回のことだが、丸安丸へ来ると抱えきれないほどの宿題を持ち帰ることになる。
有終の美を飾った森国さんの良型マダイ(提供:週刊つりニュース中部版APC・原田順司)今後の課題
さて、この鳥羽沖でのタイラバ、今回のようにバラシ対策、急潮対策は必須となる。まず急潮対策としては重めのタングステンシンカー、PEライン0.6号という細ラインの使用が必須。あとは着底の合図を見逃さないように、フォール時はラインの動きや感覚をしっかり把握しておくことだ。
バラシ対策は、この釣り場の永遠の課題といえるかもしれない。アタリの数だけ獲るのはどんな名人でも難しいが、やはりなるべく減らすように努力はするべきだろう。
まずフック。今回私はがまかつサーベルポイントファインマスターSの3本バリで挑んだが、結果はこのざま。結果、3本バリのメリットはあまりなかったように思う。
塩焼きサイズもよく交じってくる(提供:週刊つりニュース中部版APC・原田順司)2本バリで十分か
良型マダイの口の中ではなく、口周りにハリを絡め掛けるイメージで作ったのだが、絡んでも掛かりが浅いことがほとんど。2本バリで十分だと思う。
基本的にタイラバでアワせることはほとんどない。アタリがあってもそのまま巻き続けると、オートフッキングすることがほとんどだ。だが、現在瀬戸内などでは、アタリがあれば即アワセの掛けタイラバが主流になりつつあるらしい。
フィールドが似ている鳥羽沖では、こちらの方が向いているのかもしれない。一度試してみる価値はあると思う。
毎回万全の体制(のつもり)で挑んで、毎回新しい宿題が出てくる鳥羽沖のタイラバ。だからこそ面白く、通い詰める人も多い。丸安丸のタイラバは5月いっぱいまで出船予定。ぜひ皆さんもゲーム性抜群のこの釣りに挑戦してほしい。
来るたびに学びを得る鳥羽沖(提供:週刊つりニュース中部版APC・原田順司)
<週刊つりニュース中部版APC・原田順司/TSURINEWS編>

