3月1日、半年間待ち続けたヤマメ解禁の日。渓流の女王とも称されるヤマメとの出会いを心待ちにしていた釣り人たちは、解禁前から計画を練り、仕掛けを準備し、万全の態勢でそれぞれの狙いの釣り場へ向かう。私もその1人で、川辺川へと向かった。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

渓流ヤマメ釣りアプローチの基本
まず最初に気象を確認し、雨量や増水の有無をチェックしたい。渇水が続いていた中で久しぶりの降雨があり、わずかな濁りが入った「ささ濁り」の状態は魚の活性が上がり絶好のチャンスを意味する。が、渇水で平均水位よりも低い場合、魚の警戒心が強く、厳しい釣りが予想される。
現地に到着したら水温や水面の様子を観察し、ヤマメの動きを見極めることが重要だ。時折、水面に昆虫が飛びかっていたり、ライズが見られることでヤマメの位置や活性が推測できる。近年、河川は災害による影響を受けており、河川工事の影響で濁りやすくなっている。そのため事前に代替となる河川もピックアップして仕掛けや装備を準備しておくとよい。

サオを伸ばして釣りを始める際、焦りを抑え、シビアな魚に対して静かにアプローチし、慎重に近づくことを心がける。
ヤマメは非常に敏感で警戒心が強いため、釣り場では大きな音を立てたり、急に動いたりしないよう注意することが求められる。ポイントに近づく際は、川の中に入る際にも足音や振動が水中に伝わらないように気をつけ、さらに水面に波紋を立てないようにすることが大切だ。
波紋が立つと、ヤマメが警戒して逃げてしまうため、釣りができなくなってしまう。また、人影やサオ影が映らないように工夫することも必要だ。
多くのヤマメは上流を向いて流れに沿って流下するエサを狙っているため、基本的には下流から上流に向かってサオを出し、遡行を繰り返すスタイルが有効だ。
<週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞/TSURINEWS編>