休暇中は何をして過ごしますか?家でのんびりした人もいれば、旅行を楽しむ人もいるでしょう。親族と集まったり、神社を訪れた人もいるかもしれません。私は海へフィールドワークに出かけることがあります。今回の狙いは、深海生物やクラゲ。筆者が行った岸壁採集の様子と、真冬の海でのフィールドワークの楽しさを紹介します。
(アイキャッチ画像提供:みのり)
<海水ガチャ>とは
今回の採集では、私が“海水ガチャ”と呼んでいる採集もおこないました。
海水ガチャとは、水汲みバケツでひたすら海水をすくって透明ケースに入れ、小さな生物を見つける採集方法。運が良ければクラゲなども手に入ります。
どんな生き物が獲れるかはまさに運次第。ひたすら海水を汲み上げ、生き物が見つかるまでこれを繰り返します。


この方法で、非常に小さい何かの稚魚、動物プランクトンの仲間(たぶんカイアシ類?)が採集できました。マクロ撮影を行えば、彼らが何なのかをきちんと同定できるかもしれません。
このように、ただ海水をすくうだけでも、十分に生き物たちを観察することができます。
深海生物を探すが……
その後も、深海生物を探して水面をキョロキョロ見渡しますが、それらしい影はありません。
この日は真冬であると言うのに、深夜にも関わらず気温は10℃を超えていました。防寒着も全て着込まずとも十分に外にいられるほどです。
もしや?と思い、柄杓で海水をすくって触ってみると、やはりあまり冷たくありません。冷たいことは冷たいのですが、深海生物たちがあがってくる水温となると、もっともっと冷たいはずなのです。
これでは深海生物はあまり見込めないかも……と思いつつ、4時間ほどウロウロと堤防を回ったあと、車に戻って休みました。
朝を迎えてクラゲ採集!
朝になり、友人らと合流し、次の狙いであるクラゲを探します。
深夜採集でも少しクラゲは獲れましたが、今回は明るくなってからの方がクラゲの数は増えていました。

筆者はあまりクラゲに詳しくなく、採集できたものの多くが何クラゲかわからず終いでした。

もっとゆっくり調べればよかった……と少し後悔しています。
初心者でもカンタン! 楽しい岸壁採集
今回の採集に参加した友人の一部は、「水族館でクラゲを見るのは好きだけど、フィールドはハードル高くて行ったことない……」という人たちでした。
しかし、そんな彼らからも「たのしい!」「私でもできる!」「また来たい!」という声が多く聞かれました。実際、上記の写真のように、初心者である彼らもたくさんのクラゲを採集することができました。
岸壁採集は道具も技術も必要なく、海さえ荒れていなければ誰でも体験することができます。時期によって出会える生き物も変わってくるため、どんな季節でも楽しめます。
みなさんもぜひ、岸壁採集を通してフィールドワークへの第一歩を踏み出してみてくださいね。
なお、堤防で採集活動をする際は、ライフジャケットを身につけるなど安全面の配慮をするほか、場所ごとのルール、マナーに十分気をつけましょう。

<みのり/サカナトライター>