エリアトラウトでナイロンラインは、その柔軟性や扱いやすさから初心者からエキスパートまで幅広く使われている。本記事では、ナイロンラインの特徴やメリット、選び方について解説する。放流直後の魚や高活性時に活躍する理由を詳しく紹介し、おすすめの製品もピックアップする。快適な釣行の参考にしてほしい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター福岡崇史)
エリアトラウトのナイロンライン
近年、様々なラインが発売されており、エリアトラウト用と銘打ったラインも溢れるほど存在する。ナイロンライン、フロロカーボンライン、エステルライン、PEラインとざっと大別するだけでも4種類ある。その中で最も汎用性が高いラインがナイロンラインだ。ここではエリアトラウトにおけるナイロンラインの特徴と選び方について解説する。
まず、エリアトラウトで近年使用率が増えているのがエステルラインラインだ。伸び率が少ないため小さなアタリも拾いやすく、エキスパートを中心に使用者が増えている。
フロロカーボンラインはボトムの釣りやスプーンの巻き釣りを好む人に支持されている。
しかし、これらのラインはイトの伸びが少ない分、注意しないとバックラッシュなどのトラブルが発生しやすい。
ナイロンラインの特徴
その点、ナイロンラインはエステルラインやフロロカーボンラインに比べてイト質が柔らかく、イトヨレがひどくならない限りトラブルの発生率は低い。特徴として、イトが伸びるため、ロッドの役割に加えて魚とのファイト時にタメが効く点が挙げられる。
次に吸水性がある点だ。吸水性により劣化が起こることが懸念されるが、現在販売されている多くの製品はコーティング技術が進化しており、劣化を感じることはほとんどない。事実、筆者の場合、半年間使用しても問題なく使えた。
一番のポイントは、ラインの中でも最も安価な部類に入る点、すなわちお財布に優しいことだ。これらのメリット・デメリットを比較しても、メリットの方が上回るため、エキスパートから初心者まで幅広く使用されている理由となっている。
ラインの太さについて
エリアトラウトで使用するナイロンラインの太さは、釣れる魚の大きさや使用するルアーのウェイトで選ぶことが多い。一般的な管理釣り場では、筆者は3lb(0.8号)を基準に選ぶことが多い。
飛距離を優先する場合は1.5lb、大型のトラウトが放流されている釣り場では6lb(使用ルアーは5g前後)程度を選択する。
ナイロンラインが輝く時は?
ナイロンラインの最大のメリットは、イトが伸びる点だ。これをデメリットと捉えることもできるが、伸びることでバラシを軽減できると考えている。筆者の場合、放流直後の魚を狙うシーンで使用することが多い。
放流直後の元気な魚は、硬いフロロカーボンラインやエステルラインを使用すると弾かれたり、乗せにくかったりする場合がある。そのような場合、ナイロンの伸びが衝撃を吸収し、フッキングに至るケースが多い。また、掛けた後も伸びがあることでキャッチ率が向上する。
さらに、高活性の魚を狙う場合にも有効だ。クランクベイトのように一定速度で引くルアーを使用する際、魚が咥えてから反転する動きを確実に掛けることが可能になる。このように、一日の釣行でナイロンラインが活躍する場面は非常に多い。
ナイロンラインの選び方
エリアトラウト用のナイロンラインを選ぶ際の基準は、耐摩耗性やイトの柔らかさ、硬さである。近年、エステルラインラインの人気に伴い、硬いナイロンラインを選ぶ人も増えてきており、一概にどれが良いとは言い切れない。以下に、筆者が使用してリピートしたいと感じた製品を紹介する。
サンヨーナイロン スーパーGTR
筆者が最初に感動したナイロンライン。特に「GT-Rピンクセレクション」は非常に良い視認性が特徴で、初心者にもおすすめ。また、ハリスと同様の製法で作られており、しなやかさと柔軟性に優れ、大型トラウトとも安心して対峙できる。100m巻きのほかにお得な300mボビン巻きもあり、コストパフォーマンスも高い。筆者は1.5lbを使用している。
バリバス マスターリミテッドSVGナイロン
しなやかさと伸びが中程度で、バランスの取れたライン。スプーンの巻き釣りからクランク釣りまで幅広く対応できる。バリバスラインの特徴として強度が高く、ワンランク細い号数を選んでも安心して使用可能だ。
東レ リアルファイターナイロンスーパーハード
硬いナイロンラインで、エステルラインラインに近い感覚を持つが、適度な伸びもある。筆者は主に放流狩りで使用し、高活性の個体に対しても安心して掛けにいける。硬い中にもしなやかさがあり、魚を取り込む際にも余裕を持って対応できる点が魅力だ。
まずはナイロンラインを使いこなしてみよう
ナイロンラインはエリアトラウトで幅広いシーンに対応できる汎用性の高いラインだ。柔軟性と適度な伸びにより、放流直後の魚や高活性時の釣りで特に活躍する。トラブルが少なく扱いやすいため、初心者からエキスパートまで多くの釣り人に選ばれている。
選び方のポイントは耐摩耗性や硬さであり、使用するルアーや釣り場の状況に応じて適切なものを選ぶことが重要だ。おすすめのラインを参考に、自分に合った製品を見つけ、快適な釣行を楽しんでほしい。
<福岡崇史/TSURINEWSライター>