夏に泉南や垂水という美しい海で釣りをしたせいもあり、今年はなんだか里心がついたみたいに実にしばしば「帰郷」している。大阪湾奥のアングラーとして年を経て長いが、まあお魚は釣れるものは釣れても、海を見る楽しみは湾奥にはない。この日も遥か50km先の潮風に誘われて、深日港プチ遠征に。
（アイキャッチ画像提供：TSURINEWSライター井上海生）
まったりデイ＆ナイトプラン
釣行日は11月27日で、この日はなかなか寒い日だった。連日の北風の止み間だったが、やはり海辺の冬はまた一層きりっと締まって寒い。夜になって寒くなったら着ようと思っていた薄手のパッカブルジャケットをすぐに着用した。来て早々これで防寒に関しては後がなくなってしまったぞ、と苦笑する。
釣り物はアジ、メバル、カサゴ、まあ何でも。そんな気分できたので、まったりいく。釣り場に入ったノア15時。日没まで1時間半ほどデイゲームだ。まずは足元のジグ単ダーディングでアナハゼを1尾簡単に釣ってしまった。この日はメタルジグには反応しない。メバルの姿もサイトでは見えなかった。
アナハゼでスタート（提供：TSURINEWSライター井上海生）穴釣りとダーディングでカサゴ連発
よし、本格的にロックフィッシュ狙いといこうか。でも使うのはイカゲソで、穴釣りだよん。
カサゴ現る（提供：TSURINEWSライター井上海生）消波ブロックに背を丸めて屈みこんで、まあまあの寒さに耐えながら、このカサゴである。大型化する冬だというのに、サイズはてんでだめだ。よく考えれば、ちょっと報われない感じはする。特にマヅメも時合いも絡んでいるわけではないのに、退屈しない程度には現れた。
穴釣りが一時、連発モードに突入した。空模様を見ると、そろそろ時合い前の雰囲気。またジグ単に戻して、足元のダーディング。カサゴが何度でも顔を見せてくれる。
ダートアクションが本当に好きだね（提供：TSURINEWSライター井上海生）穴釣りの余談。あまりないことだと思うのだが、ハリがかかっていないのに、フグが釣れた。この小さなクサフグ、どうやらイカを噛んで、歯が取れなくなって浮上してきたらしい。まったく、かわいい。
フッキングしていないゲソ食みフグ（提供：TSURINEWSライター井上海生）アジングは「無」
日没後にアジングをスタートした。エステルラインのスプールに付け替え、ジグ単。この日は最初からスナップをつけなかった。なんとなくだが、おそらく食い渋ってくる気がして、はなから無駄要素を少しでも省いて釣ったほうがいい気がしたのだ。私の感覚では、アジが渋い日は、スナップは絶対にないほうがいい。
しかし、そんな細かい心配りまでしてアジングをしたにもかかわらず、アタリ皆無。深日港にはこれがある。潮通しがいい海は潮流に乗ってアジが一日で沖に出て行ったりする。このへんは湾奥より読みづらいし、賭け要素が高い。そして私はこの種の賭けに、どうもまだ勝ったことがない気がする。
ひねり出した1尾に感謝
夜の釣果がさっぱりと出ないので、また足元のダーティングに戻したのだが、そうなるとさっきまでちょちょいのちょいで釣れていたカサゴがもう反応しなくなっている。このままでは釣行記に「夜はさっぱりでした」とでも書いて終わることになる。別にそれでもリアルでいいのだが、自分の気分が微妙。
イケスのちょっと横に戻ってきた。ここで、イケスから漏れてくるエサにでもたかっているアジを狙うイメージで、最後の勝負だ。そう思ったら一投目からアタリが出た。うん、コイツ、例によって極小だぞ。ヘッドを豆々アジ用にかえて、十投ほどしたところで、ようやく足元でピピッときた。回収直前の表層だったので、引きも何もなく、ただ抜いただけだ。
やっぱり君か（提供：TSURINEWSライター井上海生）なるほど、何もかもこっちの思った通りじゃないか。なんともけなげな豆アジちゃん。感謝の気持ちをこめて優しくリリースした。それにしても、本当に防寒をひとつミスると危ない寒さになってきた。深日港はまた日によって徹底的に渋いので、せめてみなさんも厚着して神経戦に勝ちきってほしい。
＜井上海生／TSURINEWSライター＞
深日港
