アジングではアジに限らずいろんな魚が釣れる。メバルやカサゴなどの小魚、大きいところではチヌやシーバスなど。このへんは釣れてくれて悪い気はしない。しかし厄介なのが雑魚だ。中にはワームを食いちぎる悪さをする魚もいる。雑魚のよけ方を知るには、アタリの出方で感じ分けて、弾いてやろう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
効率的にアジを釣るために
アジングはそこにアジしかほとんどいないなら、アジばっかり釣れる。ボトム周りにカサゴ、表層でメバルもいるが、いずれもアジの大群に臆しやすい魚で、同じ餌を奪い合うわけでもない。アジばっかりのときには、ほとんど来ない。アジだけが釣れ続ける。
しかし常にそういうわけにもいかない。アジばっかりの海には、なかなかお目にかかれない。どうしても雑魚が混じりやすい釣りでもある。潮通しがいいネイティブエリアのアジングでは、夜は目が効きにくいはずなのにベラもフグもくる。カマスもくる。そして酷似した魚であり、一緒に群れが入ってしまうサバもくる。ヤツら雑魚をさけて、効率的にアジングをするためにはどうすればいいのだろうか?
アジのアタリを知る
アジングを長くしているとわかるのだが、アジと別の魚とのアタリの違いは明白だ。アジはコンッとかツンッと、わりと硬質なアタリを出す。手元に伝わる感覚がソリッドだ。あくまで筆者の感覚だが、その明確さは他の魚が0.1秒とするなら、アジは0.5秒くらいの感じがある。ショートバイトでもしっかりとアタるものだ。豆々アジでも豆アジでも、バイトの瞬間の感覚は、硬質ではっきりとしている。
サバとのアタリの違いは?
時にアジの群れと共に同居するサバ。こいつらは釣ってしまえるならば楽しいゲストだが、アタリを出すだけなら手に負えない。しかしサバのアタリはアジとは明らかに違い、かけたときの引きもアジと比べると明らか大きいので、「これはサバだな」とすぐにわかる。
サバのアタリの特徴は、「じゃれつくようなアタリ」と言われる通りのものだ。特に小型はワームを曖昧にはむようなアタリを出す。大型になるとわりとツンツンと硬質になってくるが、これまたアジのアタリを明確に違うのは、立て続けにアタる。間を入れずあっちこっちから突いてきたら、それはサバだ。
ただ残念なことに、サバはサバだとわかっても、アジと釣り分けることは非常に難しい。こればかりは仕方ない。ひとつ参考になるかどうか、筆者はメタルジグでサバを釣ってポンポンとリリースして「サバだけスレさせる」という自己暗示で何とかしている、気分になっている――。
一番の厄介者、フグ
アジングをしていて何が一番邪魔者かというと、フグに違いない。同様に歯がある魚でもベラは夜になると釣れなくなるが、フグは少しでも明かりが効いているところや、チャート系の発光するワームだといやらしく食いにくる。
フグのアタリの特徴は、アジよりもその瞬間が短いことだ。仮にアジが0.5秒とするなら、フグは0.2秒くらい。チッ、というような本当に噛むだけのアタリだ。ワームの尾をかじるような感じでヘッドのハリ部分には触れないので、ほとんど手元に反響してこない。
またフグは出やすい場所が決まっている。潮通しがよく水色もきれいな海の常夜灯下、また消波ブロックが絡むところだ。素材が丈夫なエラストマー系のワームを使えば、ある程度、ワームやイトを噛みちぎられるなどの被害は低減できる。
雑魚が多い場所は割り切る
海の雑魚が入りにくいのは汽水域で、リバーアジングを推奨する。筆者が持っているネイティブエリアのポイントも、わざわざ塩分濃度が薄そうな河口の周りにしている。それくらい雑魚は面倒臭いのだ。
こういう考え方もできる。「雑魚が多い場所には、アジがいない」と。仮にアジがいるとしても、いないものとする。そして移動して、アジが優先的に食ってくる場所を探そう。そう道具も多くないアジングだ。軽装ならば、移動はそんなに苦ではない。労を惜しまずランガンして、雑魚に邪魔されないアジングを楽しもう。
<井上海生/TSURINEWSライター>