釣って楽しく食べておいしいメバルは、波止でも船でも大人気のターゲット。特に船釣りは数も型も狙えるとあって、根強い人気がある。今年もいよいよシーズンが開幕し、狙いをタチウオからメバルにシフトする船も出はじめた。今回は楽しい沖のメバル釣りをエキスパートの近藤徳幸さんに案内してもらった。ぜひ記事を参考に、船のメバルに挑戦だ!
平成最後のメバルシーズン
何かにつけて「平成最後の…」とよく耳にする平成31年が始まり、いよいよ「平成最後のメバルシーズン」が本格的に開幕する。
大阪湾の冬の釣りの定番であるこの釣りも、最近ではタチウオ人気に押され気味…。
しかし、細いハリスを使っての繊細なこの釣りもまた趣があって面白いし、なにより、食べておいしいのがうれしい。
最近では漁獲量が減り、市場では「黒いダイヤモンド」と言われるほどで、30cm近い大型になると、とんでもない値段が付くほどの高級魚だ。
そんな高級魚をいかに釣り上げるか?
今回は大阪湾でのメバル釣りについて書いてみる。
メバルのポイントと習性
まず、大阪湾でのメバル釣りといえば、加太~泉南方面、堺~大阪市内~西宮方面、神戸~明石方面の3つのエリアに大分することができる。
それぞれの地域によって狙うポイントや釣り方が若干違うが、ここでは共通する基本的なことから書いていく。
メバルという魚は、非常にどう猛ではあるが、臆病な魚ということ。警戒心が強く、普段は岩陰に身を潜め、捕食の際にだけ活発に行動する。肉食とされているが、流れてきた海苔なども捕食しているので、「雑食」といえるだろう。
食いが立つと、魚礁の上へ上へと食い上がってくる習性があり、これは重要なポイントになるので頭に入れておいてほしい。
そういうメバルの習性から、根掛かりの多い人やガシラをよく釣る人にはメバルは釣れにくい。
メバルは上を釣れ!
「メバルは上を釣れ!」これが釣果を上げる大きな要素だと思う。
根掛かりが怖くて、オモリで底をトントン…。よく見る光景だが、乗合船で何人かがこれをやればメバルは警戒して食いは落ちる。
また、根掛かりしたときにサオをシャクってギュンギュンやると、水中でイトが水を切り、メバルに限らず魚は散ってしまう。これらの行為は自分だけではなく同船者にも迷惑をかけてしまうので慎もう。
と、こういう風に書くと、「なんだか制約が多くて面倒だな~」と思われるかもしれないが、実は何も面倒なことではなく、船長のアナウンスの通りに釣ればいいだけのこと…。
ポイントに入ると、「水深は〇m、2mほど上がるよ」とか「磯が〇m」とアナウンスがある。2m上がるのであれば、波の上下を計算して底から3m巻き上げておけば根掛かりはしない。
ただそれだけでメバルは釣れる。たぶん、底をトントンして釣るより釣果は上がるはずだ。
「船長を信じて、じっと待つ…」これが釣果を上げる一番の近道かもしれない。
サビキで釣るメバル
ここからはもう一歩踏み込んで、最近流行りの「サビキ釣り」について書いてみる。
「サビキ」と一言で言っても、その種類はいろいろ…。
各メーカーからいろいろな仕掛けが出されているが、仕掛けの選び方の基本的な考え方として「マッチザベイト」という言葉がある。
その時、その場所に合ったサビキが一番いいということだが、やみくもに買い漁っても無駄になることもあるので、予約時に船宿にどんな仕掛けがいいか確認するのが一番の近道だろう。
釣行前の準備として、船宿推奨のサビキ仕掛けを2~3セット、自分の気に入った仕掛けを数セット、使用する号数のオモリと、根掛かりに備え予備に2~3個は必ず用意すること。
根掛かり以外にも、沢山釣れるとハリ先が鈍ったり、ハリスが縮れたりすることもあるので、仕掛けは少し余裕を持って揃えておきたい。
おすすめのタックル
そして肝心のサオだが、これはサビキ仕掛けの長さによってもかわってくる。仕掛けが長く細いので、基本は軟らかく胴調子で仕掛けよりも長いサオが扱いやすい。
外ガイドのサオよりも中通しのサオの方が初心者にはトラブルが少なく扱いやすいと思う。
これらも各メーカーから「メバル専用ザオ」として販売されているが、磯ザオで代用している釣り人も多く見かける。
ただし、長いサオはそのぶん風の抵抗を受けやすく、風の強い日にはかなり重く感じたり、風の抵抗で底が分かりにくいことがあるので、注意してほしい。
ちなみに、私は5.3mの中通しの磯ザオと3.6mの外ガイドのメバル専用ザオを状況に応じて使い分けている。
リールに関しては、持ち重りしない程度の小型リールであれば十分。ミチイトにはPE0.8号~1.5号くらいがいいだろう。
これだけ揃えば釣行できるが、もう一つあって便利なのがサオ受けだ。
仕掛けが長くハリが多く付いているサビキ仕掛けでは、どうしても仕掛けがサオに絡んだりしがちなので、サオ受けがあった方が何をするにもやりやすい。