先日から「女性のための釣り入門」に協力してもらっている友人のAさん（21歳）に、今回は「そもそものトコロ」を聞いてみた。ずばり、魚種である。釣りをするなら、まず相手を知ることだ。筆者が彼女を引き込もうとしているのはアジ・メバルを狙うライトゲームだが、そいつらの顔なんかを実際に知っているのだろうか？
（アイキャッチ画像提供：TSURINEWSライター井上海生）
女性の「釣魚認知度」は？
魚の種類なんて、普通はわからない。相当な魚好きである筆者自身も、釣魚の範囲を離れると「なんじゃろな」と思うが多々で、まして「漢字でどう書くか？」なんてクイズを見ても、他のヒトよりわかるわけでも何でもない。
しかしよく考えれば、「釣魚の範囲」の魚を知っていることだって、それなりの知識と誇っていいのではないだろうか？そして私が今現在釣りに引き込もうとしている女性二人の、「釣魚認知度」はどんなものなのか？……ちょいと友人歴が長いほうのAさんに、本当に非常識ながら夜中の3時にLINEで魚の写真をLINEで送って、「この魚の名前知ってる？」とクイズを出してみた（本当に大迷惑LINEだ）。
アジ、メバルが有名
Aさんは北海道生まれ、京都育ち。東大阪で一時期働いていたが、今は私の家の近くで居酒屋のバイトをしている。21歳の若さだが信じられないほど礼儀正しく、頭もいい。だが、本人いわく他の人にはあまり見せないものの「結構、性格は悪い」とのことで、実際、ちらほらと15歳年上の私にもぞんざいな口をきいてくる。そんなのも面白い。……バイト終わりだったらしく、LINEの返信はすぐに返ってきた。
シーバスは臭いと知っているらしい（提供：TSURINEWSライター井上海生）「アジとメバルはわかる」
「左上臭いやつやろ笑」
とのメッセージだ。なるほど、ライトゲームの対象魚はさすがに知っているらしい。メバルなんかはわりとスーパーでは見られない「珍魚」の類とも言えるが、さすが、知識の範囲内のようだった。私を感動させたのは、「シーバスは臭い魚」と知っていたことだ。
このあと、流れで宅呑みしながら聞いた話によると、「だって、スズキって川に棲んでる魚やもん」と言う。ほお。本当に詳しい。ちなみに、カサゴのことも「ガシラ」と知っていた。「なんかあれ、ヒレがぎざぎざしてる丸っこいヤツよね」とのこと。
――どうでもいいことだが、Aさんの言葉の発音は、関西弁というよりは博多弁に近い。そんな感じで会話を読み取ってもらえると、また雰囲気が伝わりやすいかと思う。
雑魚の認知度低し
バイト終わりのAさんが早速返信をくれたので、次なる矢を打ってみる。次は釣魚の中に混じる雑魚といわれる小さな魚たちだ。
カニしかわからない？（提供：TSURINEWSライター井上海生）さすがにバイト上がりで疲れていたせいか、「左上が蟹笑」との答えに留まった。ベラやフグやアナゴももちろん知っていることだろう。ちなみにこのカニ、別に手で捕まえたものに私がワームをつかませたのではない。消波ブロックを這っているところにワームを垂らしていたら、本当にはさみで突っついてきたのだ。釣れた。つまり、こいつも釣魚なのである（？）。
「でも、大阪って海ないやろ？」
一時間ほどの宅呑み後、この日は私の家に自転車を置いて、少し余る2000円のタクシー代を握らせ、帰らせた（こんなさりげない優しさを見せるのも当然、「釣り布教」のためである）。しかしその前から、くたびれほろ酔い状態のAさん、ちょっと妙なことを言った。何だか雲行きが危うくなるような話で、
「でも、大阪って海ないやろ？」
と言うのである。
「いや、あるやろ」と私。
「ないよ。なんで嘘つくん」とAさん。
「あるやんけ。南港も、泉南も……地名は知らんかもしれんけど、海に面してるのは知ってるやろ？」
「いや、ないよ」
「ある、あるんよ」
「もうええよ、疲れた」
「あれは、京都だって海に面してるやろ」
「京都は海に面してる。でも大阪は面してない」
「そうか……でも、面してるんよ」
大阪には絶対に海があります（提供：TSURINEWSライター井上海生）確かに生まれ育ち、職場と、あちこちを行っているAさんではある。それにしたって、一番長く過ごしている関西圏、そして京都育ちで、「大阪は海に面していない」という感覚があるだろうか？関西の内陸県は奈良と滋賀だ。そのどちらかと間違えているのだと信じたい。私は「大阪には海に面してない」という強い持論を持った女性を、大阪湾沿岸のライトゲームの世界へと誘おうとしているのである――。
＜井上海生／TSURINEWSライター＞
