今年も待ちに待った渓流釣りが解禁する。今年はどんな渓流魚に出会えるだろうか。考えるだけでワクワクする。今回はホームグラウンドである岐阜県の長良川水系をベースに、渓流釣りの上達の秘訣や魚の着き場の変化、サオ、水中イト、ハリ、エサの使い分けなどを解説したい。
渓流釣りのハリ
ハリは魚との唯一の接点なので、サオの次に大事。種類は大きく分けてカエシのある半スレバリとカエシのないスレバリとある。スレバリはスレたときのみ使用し、基本は半スレバリを使う。
長良川での私のお勧めは、オーナーのカッパ極シリーズで川虫(ヒラタ、キンパク、クロカワ)のエサ。支流を釣るならカッパ極2~4号で、本流なら3~6号。ミミズで狙う場合は、オーナーのきじ鈎6~7.5号かカッパ極スーパーライト5~6号を使用する。
ハリは一日の内に何本も交換する。目安は午前と午後各2回、またはポイント移動したとき、10匹以上釣ったときなど。そして鋭さを持続するため、ハリを研ぐのも手だ。
渓流釣りのエサ
エサは基本的にカワムシで初期はキンパク、盛期はギンパク、ヒラタ、クロカワ、大物はミミズの使い分けが一般的。ただ河川やその年の状況、人的プレッシャーにより当たりエサは変わってくる。長良川での経験を元にいくつか例を挙げる。
クロカワは本流の盛期に威力を発揮するエサだが、支流でも威力を発揮する場面がある。釣り人が多い長良川では、アマゴはすぐにスレてしまう。支流でクロカワを使う人が少ないので、先行者の後でも入れ食いになった経験は何度もある。
また本流域でヒラタやクロカワでよく釣れるときに、まだ薄暗い朝一だけギンパクやミミズに食いがいいときがある。恐らくギンパクは他よりも朝一は目立つからだと思う。またミミズはにおいがあるので、それに反応するのだと思う。
渓流魚の釣り方
渓流魚は警戒心が強いので、アプローチには細心の注意を払いたい。ポイントに近づくことから釣りは始まっており、足音はできるだけ立てないように。
手前の流れからエサを流し、徐々に対岸に向かって攻めていくのが基本。渓流は見た目より水深が深い所がある。渓魚はそうした見た目では分からない川底に潜んでいることが多く、まずは底近くにエサを流すことが肝心になってくる。
川の流れは、表面は速く流れていても川底は表面より速くない。目印が表面の流れと同じ速さで流れるようでは、エサが川底にナジんでいない証拠。最初はオモリが川底をたたくように流れてもいいので、重めのオモリでしっかり底を取って流すことを心がけよう。慣れてきたらオモリを軽くして、より流れにナジむことを意識して流そう。
応用テクニック
「小さいカワムシを使いこなす」
段々瀬などのポイントはエサが流れる距離が短いため、普通サイズのエサだと渓魚がエサをくわえきれず、先っぽだけくわえて乗らないパターンが発生する。特に初期は最盛期に比べ食いが落ちるので、エサをくわえきれないことが多々ある。
そのためエサを小さくし尻尾だけくわえさせないようにするのだ。そしてアタリが出たらアワセとともに一気抜きする。
イトフケでアタリを取る
アマゴはスレてくると目印にアタリが出なくなる。吉田川など激戦区は特にその傾向が強い。イトフケでアタリを取る方法は、目印を上の方へ上げて見ないようにする。そして集中してイトを見て流していると、イトがフワリと少しフケる。
このときがアワセのタイミングだ。アタリなきアタリを取れるようになれば釣果アップ間違いなし。
ソラ釣り
ソラ釣りとは上流に向けて振り込み、上流の流れを釣るテクニック。主に支流域で活用するテクニックで、両岸から木の枝が覆いかぶさった流れや、川幅が狭くヘの流れを通常の流し方では流せない場所で重宝する。
ただしエサの流れが不自然になるし、アタリが出にくくなる。アタリの取り方は前記で述べたイトフケでアタリを取ったりする。