「釣具にもプラスチックはたくさん使われている」 釣り人ができる環境汚染対策とは?

「釣具にもプラスチックはたくさん使われている」 釣り人ができる環境汚染対策とは?

近年話題に挙がっている水質汚染。その中に出てくるプラスチック問題。様々な意見が世間では飛び交っていますが、みなさんはどんな考えをお持ちでしょうか?この問題に対し、自分は疑問視する点があったのでその考えを述べたいと思います。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター泉陽登)

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泉陽登

釣りを通して様々な事を学んでいます。夢は世界を旅しながら様々な魚と闘うこと。

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マイクロプラスチック問題

事の問題を簡潔に。プラスチックは安価で耐久性があり、容易に生成できる強力な素材です。様々な製品に使われ、梱包や包装材としても活躍するなどその用途は様々です。しかし、手軽な分使い捨てされる傾向が多く、問題視されることも多いです。

「釣具にもプラスチックはたくさん使われている」 釣り人ができる環境汚染対策とは?プラスチックごみ(提供:TSURINEWSライター泉陽登)

ポイ捨てなどから自然界に流出してしまい、最終的に海に流れてしまう。そして、海に行きついたプラスチックは小さな破片となり、マイクロプラスチックになります。これを魚や他の生物がエサを思い込み食べてしまう。これが生態系に悪影響を及ぼしている大まかな流れです。

人体にも悪影響

プラスチックゴミは毎年約1800万トンの量が自然界に流出しているらしく、その数は銀河系の星の数にも匹敵するとか…。さらにこのゴミは、汚染物質の運び屋になってしまうことでも問題視されています。これは海だけに限定された話ではなく、河川や湖沼でも起こっている問題。生態系を破壊するだけでなく、我々人間にも悪影響がでてしまう大きな課題の一つです。

本当の問題は人の心?

ここで自分が感じた疑問点が一つ。この問題に対し、よくプラスチックが原因で環境を破壊しているといった意見を耳にします。もちろん事の原因は間違いなくプラスチック。しかしその事柄”を起こしているのは何か。その本質は一体どこにあるのか。

それは人間の心です。よく専門家や環境家を名乗っている人は、プラスチックそのものを悪者にしている人が大半。ですが自分からすると、この問題の最大の悪は「人の倫理観の欠如」にあるとしか思えません。

「釣具にもプラスチックはたくさん使われている」 釣り人ができる環境汚染対策とは?美しい自然(提供:TSURINEWSライター泉陽登)

この倫理観の欠如が根本の原因になっていることを無視し続けた結果が、今の環境破壊に繋がっていることをなぜ議論しないのか不思議です。何故プラスチックが川や海などの水辺にあるのか。当たり前なこととして認識したくないですが、それは「捨てている人」がいるからです。家から勝手に歩いて行って水辺に入るプラスチックゴミがあるでしょうか?

原因は人間

この問題に対し「ゴミを無くそう」、「プラスチックに依存されない社会」などと世間では言われていますが、本質がそれてしまっている気がします。このような問題が起きているのは人間がそもそもの原因だということを。

ない方がいいのはみんな同じ

ですが、プラスチックが環境破壊の直接的な原因になっていることは誰から見ても同じです。ここまで話しましたが、自身もプラスチックがないほうがいいのは同感です。環境に対し悪影響を及ぼすものがあるならそれを排除するのが妥当です。ましてや、そう簡単に変わることが出来ない人の倫理感が問題ならば、そうさせないように原因を排除することも必要になってきます。自身の父親もゴミ処理関係の仕事を請け負っている者ですが、プラスチックが一番タチが悪いとのこと。

しかし、自身も父親もこう思います。この世の中からプラスチックをなくしたらどうなってしまうのかと。着ている服、履いている靴、眼鏡、住んでいる家、車、飛行機……。ほとんどのものにプラスチックが使われているのが現状です。環境を思い正論らしいことを言ったとしても、我々人間はその「悪」と思われているものに頼っているのが現状です。縄文時代に戻る覚悟があるなら、SDGsといった言葉がない世の中になるかもしれません。ですが、この時代にそのようなことをするのは不可能に近いでしょう。

人間はあまりにも便利なものにすがり続けてきてしまいました。真面目な話、便利という「楽」を求め続ける社会になってしまったが故の問題ともいえるでしょう。

釣具もプラスチックを使用

プラスチックは我々釣り人にも密接しているもの。竿、リール、ルアー、ウェーダーなど、ほとんどの製品に使われています。これだけ環境の事を憂いていても、その環境を破壊するものに頼っているのが現状です。

「釣具にもプラスチックはたくさん使われている」 釣り人ができる環境汚染対策とは?釣り竿(提供:TSURINEWSライター泉陽登)

難しい問題

綺麗ごとを言っても、悲しいことに何も変わらないのが現実です。問題を解決するにしても、大抵の物事は「賛同」するか「反対」するかの二極化する傾向にあります。仮に全員がそれに賛同しても、本質からそれた政策が始まる可能性も。プラスチックは環境を破壊する、しかしそれに頼らないと生活が回らない。とても皮肉な話です。

こうした問題がでてきた際に人間は、解決するために動くのが基本です。しかし、そう単純にいかないから大きな問題は中々解決しない。ならばどうするか。その問題の進行を遅らせる動きをすればいいというのが今の自分の考えです。

リサクル&リユースを

プラスチックはリサイクル技術を用いて再利用しようという声が多いですが、そもそも使えるものはそのまま使えばいいと思うのは自分だけでしょうか?新しい商品が出てきたらすぐに買い替える。スマートフォンなどがいい例でしょう。こうした「買い替える」、「古くなったから捨てる」といったことを無くしていけばいいのではないかと。釣り竿なども折れたら買い替えるのではなく、修理したり再利用する手もあるはずです。

自分も折れてしまった竿は、新しく作り直す、別の竿の補修などに使う。他にも、ペットボトルの蓋をエサ箱に改良したり、ウレタンコーティングの受け皿としてペットボトルを使ったりと、ゴミとして捨てているモノも利用法はたくさんあります。消費社会であるこの日本で、それを実行するのは難しいかもしれません。しかし自分はこれを意識するだけでも、何かが変わると思っています。

みなさんの元にも、まだまだ使えるものはたくさんあるはずです。一度捨てようとしているものを見直し、他の使い方がないか考えてみましょう。一つ一つの小さな行動が、解決への一歩になる。大好きな釣りを続けるためにも、できる事から始めていきましょう。

<泉陽登/TSURINEWSライター>