しのぎやすい気温だが、油断ならない9月20日。日焼け止めをこれでもかと塗りたくる日々が続く。そんななか、お手軽に車内からチョイ投げをしようと三重県鈴鹿市の若松漁港にハゼを求めて釣行した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・波瀬金鉤)
若松漁港でハゼ釣り
潮は中潮。水深1mの海には濁りが入っており海底の様子は見えない。気温が下がる午後4時から夕マヅメを狙った。
若松漁港は伊勢湾に面する比較的小さな漁師港だ。約40mの堤防が設置されており、内海には船が停船している。その手前最北端には幅5mの水門が設置されており、栄養豊富な農業用水が流れ込む。ここが汽水となっており、絶好のハゼ釣りのポイントとなる。
だが、水門の真下は海底に流木や石など障害物が多く、根掛かりが多発するので直接狙うのは難しい。障害物の少ない砂底の港内をチョイ投げで探ってみた。
14cmのマハゼをキャッチ
5mキャストして着底後ゆっくりとズル引きで寄せてくる。手元の感覚だが、小さな砂紋が目立つなだらかな地形だ。障害物も少なく非常に釣りやすい。仕掛けを手前3mまで寄せるとサオ先をたたく小さなアタリがある。じっと待ってハゼが暴れだしたところでフッキング。あっさり1匹目を釣り上げた。
釣れたのは14cmのマハゼ。円形状の胸ビレは黄赤色に染まっており、成熟している証拠だ。いきなり良型のマハゼが釣れたので思わず口角が上がってしまった
ウロハゼも釣れる
次にリスク承知で水門の手前にキャストしてみる。1m寄せると早速根掛かり。かなり厳しいコンディションなので着底後に放置してアタリを待ってみた。すると3分でヒット。横に揺れる引きで何度もラインが張る。潜られると回収不可能なのでサオを立てて一気に巻き上げて釣り上げた。
釣れたのは10cmのウロハゼ。マハゼと比較すると小ぶりでウロコが大きい外見をしている。体色は少し灰色が混じっており、ふてぶてしい印象がある。その後も連続してウロハゼが釣れたので、水門の下は避けた方がいいだろう。
18cmの良型マハゼをキャッチ
最後に港内の最深部めがけ15mキャストする。逆風が強く波も立つのでサオ先は水面ぎりぎりに寄せて感度を高める。ゆっくりリールを回してラインがサオと直角の状態で引いているとサオ先が急に曲がった。
良型のハゼがエサとハリを一撃で捕食したアタリだ。今までと比較にならない荒々しい泳ぎに興奮しながらファイトを楽しむ。やがて、水面にうっすらとナスのように丸々した影が浮かび上がった。
釣れたのは18cmのマハゼ。今シーズンの最大サイズを更新する良型だ。手のひらからはみ出す極太の魚体につぶらな瞳が光る、剛の中にもえを含んだ風貌だった。
最終釣果
その後も順調に釣果を伸ばし、1時間で8匹の釣果となり納竿した。争い果てての棒乳切り。いよいよハゼ釣りは20cmを超える大物が狙えるベストシーズンに突入した。丸太のような魚体と黄金色に輝くヒレは見るものを虜(とりこ)にする。
今年は半月遅れでの成長だったが、例年通りだと11月まで釣れる。これから最盛期を迎えるハゼ釣り、逃す前にサイズの限界に挑戦しよう。
<週刊つりニュース中部版APC・波瀬金鉤/TSURINEWS編>
若松漁港