立秋とは名ばかりの暑さの残る9月15日、ハゼを求め三重県桑名市の長良川河口に釣行した。ハゼはさまざまな釣法で狙える魚だが、極めると3ケタ釣果も狙える。また、秋の味覚として魅力的で、煮つけや甘露煮、刺し身で堪能することができる。そんな人気のハゼだが、実は性格がかなりどう猛。ナワバリ意識が高く、テリトリーにエサやライバルが侵入すると即座に食らいつく。このハゼの性質を利用し、ルアーフィッシングに挑戦してみた。いわゆるハゼクラだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・波瀬金鉤)
長良川河口でハゼ釣り
ハゼは底でじっとエサを待ち伏せているので、ボトム攻略が基本。遊泳能力は高くないので、ルアーはスローアクションで、レンジキープできるハゼ用のクランクを使用した。
まずは流れが緩やかで、水深の浅いポイントでキャストする。次に2秒に1回転のスピードでリールを巻いて、ルアーをボトムレンジまで沈める。プルプルと小刻みな振動が手元に伝われば、問題なくアクションできている。
次に3秒に1回転のスピードでリールを巻き、レンジをキープしながら手前に寄せる。この巻く速度はルアーの形状やリールの大きさで異なるので、実際に試して感覚をつかむといいだろう。
ハゼのアタリパターン
ハゼのアタリは主に3パターン。1つ目が追尾による攻撃行動。2つ目が目の前を横切った際に起こるリアクションバイト。3つ目がナワバリ意識による攻撃だ。
9月上旬の平均サイズは10cmと比較的小さいので、ナワバリ意識によるアタリが多くを占める。
そこで、広範囲をゆっくりと練り歩くようにルアーを泳がせ、ハゼの闘争心をあおる。
ファーストヒットは13cm
釣行を開始して30分、ようやく1匹目がヒット。ルアーの動きが鈍くなり、若干の重みがサオ先に乗る。その後、ハゼがグルグルと回りながら浮上。釣れたのは13cmのハゼ。
口がシャベルのように変形しているのがオス。メスと比較するとナワバリ意識が高く、ルアーで釣りやすい印象だ。
良型17cmキャッチ
その後、水深1mのポイントに移動し、堤防の岸壁を狙う。根掛かりのリスクが高い場所ではあるが、サイズが期待できるポイントだ。慎重にリールを巻いてルアーの挙動に集中する。
次第に日が暮れて、水面が赤く染まる。水面にボラの群れがボイルし始めた瞬間にヒット。根に潜ろうとする力強い引きでサオを引き込む。大物の予感を感じつつ、サオを立てて浮上させキャッチすることができた。釣れたのは17cmのハゼ。まれに越冬する2年物の良型個体だ。
平均サイズが小さく、苦戦が続いたが、何とか2匹キャッチすることができてひと安心。まだ釣りたい欲はあるが、暗くなる前に納竿した。
秋の日はつるべ落とし。日が短くなるにつれてハゼも成長して、サイズは大きくなっている。
季節が進めば20cm超えの大物も射程圏内だろう。成熟したオスは産卵行動のため、より一層ナワバリ意識が高まり釣果が伸びやすい。ルアーフィッシングはエサ釣りにないテクニックや大物を狙い撃ちできる魅力が詰まっているので、この機会に試してみては。
<週刊つりニュース中部版APC・波瀬金鉤/TSURINEWS編>
長良川河口