自身の飲み物や食べ物はもちろん、釣った魚の持ち帰りに必要不可欠なクーラーボックス。近年アウトドアショップやホームセンターでは折りたたみが可能なソフトクーラーの品ぞろえが充実している。そこでハードクーラーとソフトクーラーを持ち寄り、どちらの保冷力が優れているのか簡易的に検証してみた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部・河野)
ハードクーラーとソフトクーラーの保冷力を比較
検証用のハードクーラーは、ホームセンターで販売している汎用性に富んだ容量20Lタイプを用意。一方ソフトクーラーは、キャンプギアメーカー「RATEL WORKS」から販売されているオーロラソフトクーラーの33Lタイプを用意し、それぞれ保冷力を調べた。
氷は、自宅で作りやすいペットボトル氷(水道水)を用意。容量は1L(=kg)。
検証環境について
1.クーラーボックスの中の温度を同じにする。(28℃に統一)
2.それぞれにペットボトル氷1本と温度計を入れて、日の当たらない日影に放置。1時間ごとにそれぞれ庫内の温度を確認し、下記をを比較する。
・どの程度温度が下がるのか
・経過時間ごとのハードクーラーとソフトクーラーの温度差
・氷の様子
検証は午前10時50分スタートとした。(検証開始時の外気温は27℃)
3.検証開始4時間が経ったところで終了し、それぞれ庫内に入れていたペットボトル氷から溶けだした水の量を比較する。
検証内容
検証開始から1時間後、外気温は28℃に上昇。ハードクーラーは庫内温度が21℃で7℃下がり、ペットボトル氷はまだ溶けていなかった。一方、ソフトクーラーは16℃で11℃下がり、同じく氷は溶けていなかった。
2時間後、外気温は29℃となり、ハードクーラーは温度が21℃のまま、ペットボトル氷が一部溶けた。ソフトクーラーは16℃のままで、氷はまだ溶けていなかった。
3時間後、外気温は30℃に上昇。ハードクーラーは22℃に上がり、氷は7:3の割合で水に変わり、ソフトクーラーは16℃を維持していたが、氷の溶け具合はハードクーラーと同程度だった。
4時間後も外気温は30℃のまま、ハードクーラーの温度は22℃、ソフトクーラーは17℃に上がり、どちらも氷が溶けていたが、大きな変化は見られなかった。
氷が溶けて水になった量を比較
4時間の経過を観察し検証を終えた。それぞれ庫内に入れていたペットボトル氷を取り出して、溶けた水の量を調べた。社内に計量コップがなかったため、IKEAのガラスコップ(240ml)を使用。
ハードクーラー
4時間で溶けた水の量は、コップの9分目程度となった。
ソフトクーラー
4時間で溶けた水の量は、コップの7分目程度となった。
総括
ハードクーラーは検証開始から-7℃まで庫内の温度が下がり、ソフトクーラーは-12℃まで庫内の温度が下がった。4時間という検証の中で、どちらも庫内の温度が+1℃上昇したが、より温度を低く保てたのは、ソフトクーラーの方であった。氷の溶けた量に関しても、ソフトクーラーの方が少ないという結果になった。
釣りシーンでは、ハードクーラーを使う方が圧倒的に多い。しかし、この結果から近年のソフトクーラーの性能は非常に高くなっていると言え、ソフトクーラーの携帯性の良さはおかっぱりの釣り等において非常に魅力的だ。
クーラーボックスの購入を検討されている方は、この結果を是非参考にしてみて欲しい。
<河野陸/TSURINEWS編集部>