釣りに氷は必需品だ。買うと意外に高いのが氷で、自家製は特に夏場には冷蔵庫のスペースの問題があり、これがなかなか悩ましい。みなさんもそんな経験がないだろうか。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター丸山明)
夏の釣りに氷は必需品
真夏の酷暑が続き、9月いっぱい冷たいものから離れられないシーズンだ。夏のボート釣りで沖に向かうクーラーに、釣果の鮮度保持、そして冷やした飲み物や食べ物がたくさん入っていると氷は必需品で、氷と食料飲料を満タンに詰め込む。
さらに、青物狙いでは、大きなクーラーが必要になるので、氷が多くなる。釣れるかどうかの前に、とにかく氷たくさん、飲み物たくさんでないと安心できない。濡れたタオルを氷の上に置いておけば、ヒートアップした時はかなりの効果があるので、何から何まで氷だ。
おデブな青物は筋肉を動かすから体温が高くなっているのか、とにかく氷を溶かすからやっかいだ。血抜きをして絞めた魚を冷やし込むのは、寿司だねには欠かせず、捕らぬ狸の皮算用ならぬ釣れぬ魚の……だろうが、氷の備えは憂いを防ぐ。
自宅で氷を作る難点
市販品は結構な価格のため自宅の冷蔵庫で製氷するが、夏は冷蔵庫も満タンだから、そのスペース確保に工夫が必要だ。釣り用クーラーの多くは、大小ペットボトルがうまく収納できるような設計がされているので、2Lペットボトルをクーラーの高さに切ったもので氷を作ると、余分な空間を一番少なくできる。さらに、ダイワのクーラー用タッパーがあり、これがぴったりサイズの分厚い氷が作れる形状で秀逸だ。
しかしながら、ここで大きな問題がひとつ。多くの家庭では冷蔵庫は細君の管理下であろうし、我が家もそうだ。だから、いろんなもので製氷をしようものならば、ややこしいことになる。細君にとって、大きな氷は邪魔もの以外の何物でもないからだ。これをうまく何とかできるようにするには、これまでいくつか細君との攻防戦が繰り広げられてきた。
夏以外の季節からスペース確保
比較的に冷凍庫に隙間が多くなるのは、夏以外の季節だ。この時期から、じわじわとスペース確保を始めて、既成事実を作ってきた。夏にいきなりすると、絶対に失敗する。
超満員の通勤電車の中でじわじわと動き、居場所の隙間を作る技と一緒だ。冬に氷を使わなくても確保したスペースは、オフシーズンも譲らない。ここで手放そうものなら台無しで、夏に高い氷を買わなくてはならなくなる。
美味しい魚を釣る
そして肝心なのは、一番難しいことながら重要で、それは一生懸命においしい魚を釣ること。さらに、魚は持ち帰る前に下ごしらえをしたり、三枚おろしにしたりと、ひと手間をかけることが製氷スペースにつながる。釣れた魚をおいしく食べるには、氷で冷やし込んで持ち帰ることの重要さを日頃から話題に出すことも必要だ。でも、台風が続いたり、常にあるボーズや貧果が続くと、これはたいへんだ。魚も釣って来ないなら氷はいらないだろうとまでになってしまう。恐ろしいことだ。
おいしい魚を釣ってくることが間違いなく一番の策で、小言や文句が確実に少なくなる。この時期は、青物の寿司が食べれるようになれば、1週間単位で氷の存在は脅かされない。小言や文句は釣果に反比例する。釣れると文句は少なく、釣れないと氷の居場所がなくなる。魚が釣れないと氷も融けないクーラーは、耐えがたい重さだけで何ともわびしい。氷づくりのためにも今日の釣果は大事だから、一生懸命に釣らなければならない。
<丸山明/TSURINEWSライター>