釣り好きが実際に行った夏休みの自由研究【自然界にメダカはいないのか探してみた】

釣り好きが実際に行った夏休みの自由研究【自然界にメダカはいないのか探してみた】

この時期になると思い出すのは自由研究。当時の自分は宿題を放棄してずっと釣りをしていた記憶があります。そんな自分はどんな自由研究をしていたか。そこはやっぱり魚に関することをテーマにしていました。その中の一つとして、印象深く残っているのはメダカに関する自由研究。今回は、自分が小学生の時に行ったメダカの自由研究の内容をざっくりとした形で語ろうと思います。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・泉陽登)

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泉陽登

釣りを通して様々な事を学んでいます。夢は世界を旅しながら様々な魚と闘うこと。

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ついにメダカ発見

図鑑の生息場所は大半が水田周辺の水路だったので、自転車を漕いで田んぼ道へ。何匹かは見つけられるだろうと思いましたが、いくら探してもメダカは見つからず、絶滅危惧種だということはあながち間違いではないと思い知らされました。

釣り好きが実際に行った夏休みの自由研究【自然界にメダカはいないのか探してみた】なかなかメダカが見つからない(提供:TSURINEWSライター・泉陽登)

ようやくそれらしい魚を見つけ捕まえたと思ったのも束の間。その大半がカダヤシと呼ばれる外来魚で、その他はクチボソの子供などでした。

しかし、最後に探した水路でやっとメダカらしき姿を確認。網で捕まえ観察したところ、紛れもなくメダカでした。自然の中にいるメダカを見たのはこの時が初めてで、すごく新鮮な気分でした。

釣り好きが実際に行った夏休みの自由研究【自然界にメダカはいないのか探してみた】ついにメダカを捕まえた(提供:TSURINEWSライター・泉陽登)

その場所は今でもお世話になっている釣り場で、今も変わらずその生態系を保っている貴重な場所です。

何故いなかったのか

メダカを見つけられて満足な自分でしたが親から、「なんでメダカが全然見つからなかったのか調べてまとめた方がいい」と言われまとめることに。自由研究は宿題なので、心配していてくれていたのでしょうが、正直かなり面倒がっていた記憶があります。そんな自分を、親がなだめながら一緒に作業してくれたことを今でも覚えています。

最初にまとめたのは今でも問題の外来種。外来種として真っ先に思いつくのはブラックバスやブルーギルといった魚でしょう。しかし、外来種が問題視されるのは、在来種の食物や生存空間を奪うことです。

そのため、カダヤシといった小魚でも環境に影響を及ぼしてしまう恐れがあります。在来種の危機的状況は今でも変わらず、対策が進んでいないのも事実。この問題が解決するのは当分先になりそう……。

土地開発と農薬にも原因があるかも

次は土地問題。メダカがいなかった水路はコンクリートで整備された場所で、メダカが生息するために必要な水生植物がない状態でした。現代の河川では、コンクリートで整備されていたとしても、植物が生い茂る場所はあります。そのため、メダカにとっては何もないよりかは幾分マシでしょうが、最適な環境とは言い難い状況です。

釣り好きが実際に行った夏休みの自由研究【自然界にメダカはいないのか探してみた】コンクリート護岸はメダカが住みにくい(提供:TSURINEWSライター・泉陽登)

そして、家族が調べてくれた中に農薬問題がありました。農薬を使用することで、水に薬が溶けてその成分が生き物を死滅させるといったものでした。探した場所には、メダカでなくとも魚はいたため、メダカがいない原因としてみるには可能性的は低かったですが、一応書くことに。

メダカがいなかった原因として、外来種、土地開発、農薬と3つの原因についてまとめた形で自由研究は終わりました。今思えばこれらの問題は全て人為的なものだと考えられること。問題提起しても、その原因の根本には“人間”が関わっていることは、現代でも同じことが言えます。

当時の自分が感じたこと

普通(自然)のメダカはどこにいるのかという好奇心から始めた自由研究。結果として、自然界が壊されていることが知識的にも体感的にもわかる自由研究になりました。

当時の自分としては、とても複雑な気分でした。かなり早い段階で色んな釣りを体験し、様々な魚を釣ってきました。その中にはブラックバス、ブルーギルといった外来種もいます。

それだけでなく、普段から目にする魚も外来種に含まれていることを図鑑で知った時はものすごく驚いた記憶があります。ニジマス、タイリクバラタナゴ、ハクレン、ソウギョ、アオウオ、そして何気なく川や水路で見るコイなど。釣って喜んだ魚が外来種で、本来ある環境を危機的状況へと変える要因があると考えた時、モヤモヤが止まらなくなりました。

自由研究で新たな問題に気づけた

その日から魚たちに対する考えが変わり、釣れたら喜んでいいのかどうかが分からなくなった時も多々ありました。

外来種だけでなく、土地開発や農薬問題などで魚の居場所が奪われることに自分はどうすることもできず、一人悶々としていました。この問題を解決するにはどうすればいいか、当時小学生だった自分にはあまりにも難しい問題すぎて答えを出すことはできませんでした。

今でもはっきりとした答えはないですが、まずは人間が少しずつ変わるのがいいのではと思います。人間中心に物事を考えていることがそもそも違い、本気でこうした問題を解決するには人間を最優先にしないことから始める。

そうしない限り、このような問題は解決できないのではと今の自分を思います。みなさんはどう感じているでしょうか。今回の話が参考になりましたら幸いです。

<泉陽登/TSURINEWSライター>