サカナの写真が【だいたい左向きなワケ】食事の作法や江戸時代の画法に由来か

サカナの写真が【だいたい左向きなワケ】食事の作法や江戸時代の画法に由来か

釣った魚の写真を撮るときのマンネリ感に、前々から気づいていた。私が釣る魚種が限られていることもあるが、どうも、何もかも同じに見えるのだ。その理由が、あることに起因していることに最近気づいた。魚の顔がほとんどすべて、左を向いているのである。みなさんも自身の写真をチェックしてみほしい。魚の顔が左向きになるのは、理由があるようだ。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)

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井上海生

フィールドは大阪近郊。ライトゲームメイン。華奢なアジングロッドで大物を獲ることにロマンを感じます。

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お役立ち その他

魚の写真を眺めると左向きばかり

これまで撮った釣魚の写真を見ていると、ほぼすべての魚の顔が、左を向いている。実はこの事実には前々から気づいていたのだが、改めて見ると、本当にことごとくそうなっているのには、何か、「無意識に左向きにさせるものがあるのではないか」と改めて考えてみた。

左向きの写真ばかり

よければTSURINEWSさんの記事のサムネイルを眺めてみてほしい。魚の顔、やはり左向きが圧倒的に多くないだろうか?自分で魚を撮った人はそのまんま左向きに、誰かに撮ってもらった人は、向かって右向きに……つまり自分にとっては左向きに、魚の顔を向けている。

サカナの写真が【だいたい左向きなワケ】食事の作法や江戸時代の画法に由来か※画像説明文入力位置※カメラロールも左向きの写真ばかり(提供:)

食事の作法が影響か?

ネットで調べてみると、その答えはあっさりと明らかになった。理由は「食」にあった。

日本料理において、魚の顔は左にくるようにされている。日本人は右利きが多く、頭の向きが左の方が、身を食べやすいのだ。「食」というよりは、まあ利き腕事情というところか。

実は私も個人の居酒屋でバイトしていた頃、最初期に、「魚の顔は左向きで出してね」と言われたことがある。その答えを大人になってこのように知るとは、ちょっとおもしろい。

サカナの写真が【だいたい左向きなワケ】食事の作法や江戸時代の画法に由来か※画像説明文入力位置※自分で料理した魚も左向き(提供:)

ChatGPTに訊いてみた

その他にも説がある。ChatGPTに訊いてみたところを、そのまんま引用してみよう。

「魚の顔はなぜ左向きにされるの?」

「魚の顔が左向きに描かれることが多い理由にはいくつかの仮説があります。

文化的な慣習

日本では、江戸時代から魚を左向きに描くことが一般的でした。この習慣が今でも続いているため、魚のイラストや写真は左向きであることが多いです。

技術的な理由

昔の版画技術では、魚を左向きに描くと右利きの職人が作業しやすかったという説もあります。

美的観点

一部の人々は、魚の自然な姿勢が左向きに描かれたときにより美しく、バランスが良く見えると感じることがあります」

ChatGPTは「絵」のことだと思ってしまったらしいが、なるほど、そんな角度での考え方もあるらしい。へえ、その昔、江戸の画法にまでさかのぼるわけか。そういえば、今年釣具店でもらった魚のカレンダーも、絵は全部、頭が左向きで描かれている。

サカナの写真が【だいたい左向きなワケ】食事の作法や江戸時代の画法に由来か※画像説明文入力位置※カレンダーの魚の絵も左向き(提供:)

マンネリな撮り方打破に工夫

こうして記事に添えるために普段から魚の写真を撮りためているが、やはりマンネリ感を脱しがたいものがある。そこで自分としては、わざと右向きの写真を撮ったり、顔を真正面から撮ったりと、工夫を凝らしてきた。たまに編集部の方でちょちょっと向きをかえてもらっている画像もあるようだ。魚の写真のマンネリ打破は、なかなか難しいものがある。

サカナの写真が【だいたい左向きなワケ】食事の作法や江戸時代の画法に由来か※画像説明文入力位置※口元をアップで撮ったり(提供:)

しかし……どうにも右向きで撮ろうとすると感じが落ち着かないから、不思議なものだ。

魚の顔は面白い

よく見ると、スーパーの鮮魚コーナーの魚も、大体左を向いている。ここまでくるとなんだか不気味なくらいだ。私の周りには「魚は顔が嫌いだから、食べられない」「苦手だ」という人が多い。もしかしたらそういう人の中には、「なんかいつも左向いているし、そんなのも気持ち悪い」……という潜在意識があったりして。それは深読みしすぎかな。

しかし私は魚の顔を愛する者である。ライトゲームアングラーなので、アジ、メバルの顔は特に好きで、最近はメバルの顔がまた一層好きになってきた。釣り上げたときの顔と、映像などで泳いでいるときの顔の差なんかも、面白い。できれば水中にもぐって、左向きも右向きもない、ごく自然に生きているときの彼らの顔だって見てみたいものだ。

<井上海生/TSURINEWSライター>