春の乗っ込みは、大物のチャンスと言われ、千載一遇の機会で逃すわけにはいかない時期だ。冬の寒さで釣りどころではなかったが、陽気が良くなり釣り人も海に行きやすくなる。さらに、春後半から初夏にかけて産卵の季節を迎え、抱卵の大物が釣れることがある。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・丸山明)
春は抱卵個体が狙える時期
私の場合、春はボート釣りでマダイを狙っていると卵持ちが釣れるチャンスがあり、初夏にもジギングでサワラの大きな卵に出会えることがある。
マダイもサワラもお腹がパンパンな個体は気持ちとしてはリリースしたいが、美味しい卵の誘惑に負け、自然の掟によって、おいしく頂くことにしている。
言い訳としては、寿司屋や料理屋でも、お金持ちの痛風予備軍が盛んに食べているし、滅多に釣れないのだから。
サワラの卵
その滅多に釣れないサワラ。漢字は魚偏の春と書くが、釣りのハイシーズンは秋。春に産卵でホームの瀬戸内海に入るため春や初夏にも釣れることがある。
型物に新品のジグをガチガチに噛まれボロボロになっても、釣れれば手は舞い足は踊る嬉しさ。とにかくおいしい。大きな卵を煮付けて食べるのは、沖釣りならではの楽しみだが、なかなか出会える機会が少なく、二度めの抱卵ものが未だ訪れない……。
シロギスは立派な卵を持つ
マダイなどお腹がパンパンになっているので抱卵がわかるが、シロギスは見た目では分かりづらい。2年で成熟して卵を持つが、2年だと精々13cmくらいのピンギス。この大きさでもいっちょ前の卵を持っている。アジの場合、成熟はそれなりの大きさになってからだし、小アジでは一切卵を見ることがないので不思議だ。シロギスの20cm以上が少なくなり、小型化して成熟度が早くなり、おませなのだろうか。
シロギスは、美しい魚だからおませなのかもしれない。美しい魚でイメージするのは鮎。生涯は1年、短くそして美しい。「花のいのちはみじかくて……」と言うが、美しいマダイは成熟に4-5年と言われ寿命も20年以上だから、これはこじつけだ。
その美しいマダイの乗っ込み期、抱卵どころか未だ悪戦苦闘だ。
<丸山明/TSURINEWSライター>