水位上昇を機に一気に乗っ込み態勢へ突入する手賀水系の河川にあって、もっとも良型が期待できるのが千葉県柏市付近を流れる大津川だろう。とくにヒドリ橋付近は駐車場から近く足場もいいので、土日などは人災が発生するほど釣り人が増える。しかし最河口エリアだけに、遡上ベラを狙い撃ちできるメリットは計り知れない。周囲の景観とも相まって、のんびり竿を振るのもよし。大型一発狙いもまた楽しい。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部)
大津川の概況
3月11日(月)の実釣取材時はまだ冬の低水位で釣りのほうも真冬を引きずっている状況だった。入釣しやすさゆえに釣り人だけはたくさんいたが、そのうち型を見たのは数人程度。いささか推薦釣り場として紹介するにははばかれる釣況だった。
しかしご安心あれ。ちょうど今号発売の25日前後には手賀沼の水位が冬→夏水位へと移行し、数日かけて20~30cm上昇する。そうなれば乗っ込み態勢に突入し各所で腹パンの良型が姿を現す。なかでも今回紹介する大津川は、数本ある流入河川のなかでも良型出現率が高く日並み次第では40cmオーバーも夢ではない。近年はなかなか尺半クラスがお目にかかれなくなったが、そうは言っても、乗っ込み時は最大のチャンスタイム。今や手賀沼水系では幻とされる45cmクラスを狙ってみようじゃないか。
ポイント
大津川のポイントを紹介しよう。
ヒドリ橋下流右岸
河口ほど湿地帯になり、とくに小池周辺はぬかるみ地域。しかし同時に一大ハタキ場でもあるので装備など(バカ長靴&立ち込み台)が完ぺきなら狙ってみたい。未装備なら小池手前までの足場がいい所が限界だろう。
ヒドリ橋下流左岸
既設釣り台が数多く並び、やや入釣しづらい。勝手に乗ってトラブルにあっては割に合わないので、できれば既設釣り台のない場所に、自分の台を出して釣りをするほうが無難だろう。
ヒドリ橋~大津川橋の左岸
土手崩壊防止の金網ネットが張り巡らされていて、短竿では釣りができない。つまり岸際を通る魚を狙えない。流心狙いならとくに問題はないが、金網が滑るので釣り台設置時はとくに滑落事故に注意してほしい。草島前はとくに狙いめ。
ヒドリ橋~大津川橋の右岸
水門の上流にある沖へ張り出したコンクリート護岸帯が面白い。背後の林のなかにスノコなどが散見されるが、既設釣り台同様に勝手に使用するのはトラブルのもと。よって、自分の釣り台を組んで竿を出したい。なお張り出し上流の野地エリア前には乱杭が並び、その先を短竿で狙っても面白いかもしれない。
釣り方とエサ
基本的には流れ川なので、ドボン釣りまたはハリスオモリの使い分けとなるだろう。冬期は流心狙い一辺倒だったが、これからの時期は手前の短竿使用も可能性が高い。濁りがある、魚が通るのが見えるなど何かしらのサインがあるなら短竿で狙ってみて、それでも食わないようなら徐々に竿を伸ばしてみよう。
エサは両グルテンが主体だが、常連のなかには両ダンゴで狙う人もいる。ダンゴエサではマブナなどが交じりやすくなると言われるが、アタリが多いほうが楽しいという考え方もあるので、そのへんは好みでいい。
アベレージサイズは30~35cm。よってハリスは0.6号もあれば十分だが、それは春目前まで。乗っ込み態勢に入れば想像以上の良型がヒットするかもしれない。そこで最低でも0.8号以上、もしくは1号でも問題はないだろう。霞ヶ浦水系で1号を使うと大型外道に竿を折られることもあるが、手賀水系に至ってはそこまで大きな外道は少ないので、逆に太い仕掛けも安心して使える。
<週刊へらニュース編集部/TSURINEWS編>
大津川
入釣料:¥500(現場徴収)。釣り台必携。