癖がなく淡白な身が楽しめるフグ料理。特に、フグ刺しやフグ鍋は昔から親しまれてきた料理で、現在も人気を博しています。一方、フグは猛毒を持つ魚としても有名です。この記事では、フグの毒の特徴や対処法、フグの養殖について紹介します。
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フグを扱うときの注意点
日本産のフグは、フグの種類や部位、漁獲場所によって、食べてもよい部分と食べてはいけない部分が国によって定められています。しかし、フグの種類の判別は素人では難しく、食用可能な部位も種類によって異なるので、素人判断で取り扱うことは非常に危険です。
例えば、食べることができるサバフグやコモンフグには、それぞれ毒を持っているドクサバフグ、コモンダマシという外見がそっくりな魚がいて、すぐに判別するのは難しいでしょう。
また、食品衛生法により、飲食店でフグの肝を提供したり、魚屋が肝のついた丸フグを販売したりすることは禁じられています。違反すると、食品衛生法第60条により営業停止などの処分が行われます。
フグを処理した営業を行うには、フグの種類を鑑別するための知識や、有毒の部位を除去する技術を持ったフグ調理師免許取得者を配置する必要があります。
養殖フグには毒がない?
近年では、養殖された毒のないフグが販売されるようになりました。フグの毒を抜くことはできるのでしょうか?
実は、フグは体内で毒を作るのではなく、テトロドトキシンを持つ生物の死体やプランクトン、海洋細菌などから毒を得ていると考えられています。外界からとりこんだ特定の物質は分解・排出されにくく、高い濃度で体内に蓄積していきます。これを生物濃縮といいます。
フグはテトロドトキシンに耐性があるため、毒性を持った餌を食べて毒を蓄積し、濃縮してしまうのです。これを防ぐために養殖では、フグがテトロドトキシンを蓄積しないように餌や飼育水を管理する必要があります。こうして育てることで、毒を持っていないフグを育てることができるのです。
免許なしでは捌けない
しかし、フグが毒を持つメカニズムそのものははっきりしていないこと、肝臓での無毒が証明されていないことなどから、養殖のフグであっても肝の食用や、調理免許なしでの調理は認められていません。
猛毒を持つフグ。素人は判別・調理をしないこと、中毒になってしまったらすぐに病院に行くことが大切です。特に取り扱いが難しい魚ですが、今後もフグ食の文化を大切にしていきたいですね。
(サカナト編集部)