年末年始でマダイの需要が高まるこの時期、海上釣り堀は注目のフィールドだ。というのも、普通ではなかなか釣れないマダイやシマアジが高確率で釣れ、青物にクエやヒラメといった高級魚も期待できる。この海上釣り堀の攻略法を、エキスパートの安田明彦さんに解説してもらった。ぜひ本稿を参考に、お正月のマダイをゲットしに出かけよう!
まずはマダイ狙い!
実際の釣りでは、一般的なマダイから狙うパターンの釣り堀を例に挙げて説明していきたい。
まずはウキ下の設定から始める。あらかじめ釣り堀のスタッフから、マダイ、青物のタナを聞いておこう。
最初から探るとなると、時間のロスになってしまう。
マダイ狙いからスタートし、幸先よくアタリが出たらアワセを入れて取り込むのだが、喜んでさっと上げてしまわないこと。1、2m巻き取ってから、マダイの引きに耐えて、遊んでおくのだ。
こうすると、マダイは前日食ったエサなどを吐き出すことが多い。それを、ほかのマダイがエサとして食ってくれるので、好循環がおきて、マダイが釣れ続くパターンにはまることがあるのだ。
時間とともにタナが上がってくるはずなので、アタリが遠のいたりウキの消し込みが鈍ったりすると、少しずつウキ止めイトを動かしてタナを上げる(浅くしていく)。こうすると、食いが長続きする。
食いが止まったら?
反対に食いが止まったら、再びスタート時のタナから始めてみる。それでもアタリが出なかったら、一気に深くするか、約20cm間隔で深くしていき、アタリの出るタナを探していく。
アタリが遠のいた時は、タナをこまめにかえるのも一つの方法だが、エサをかえてやるのも一つの手である。ネリエサを使っていたのなら、生きた虫エサや、エビ、ササミと目先をかえてやれば、食うこともある。
青物がかかったら?
マダイ狙いのエサを使っていても、ごくまれに青物が食ってきたりする。強い引きを感じたのであれば、その時は、「青物です!」と同じイケスに入った人たちにむけて〝青物宣言〟すること。
すると、周りで仕掛けを入れていた人は、速やかに仕掛けを回収してくれるはずだ。
これは、海上釣り堀のルールだからだ。逆に他の人が、青物宣言したら、仕掛けを速やかに上げて、取り込むまで待とう。
青物は、走り回るので、他の人の仕掛けを引っ掛けることが多いから、青物と宣言するのだ。
マダイの食いが落ち着いてきたら、次はシマアジや他の魚を狙ってみよう。
青物タイムになったら?
青物は、青物の放流、もしくは青物を狙う時間帯となってから、青物狙いに切りかえる。
放流があるのなら、その時間に合わせて早めに仕掛けをチェンジし、エサも生きた小魚を刺して待機しておきたい。青物は放流されると、すぐさまエサに食い付くことが多いので、誰が一番に食わせるかの勝負となるからだ。
青物の放流が終ったら、仕掛けを入れる合図となる。「青物です」と宣言するのと、他の人の「青物です」を聞くかで大違いなので、集中しよう。
食いがいいときは、次から次へと青物が食ってくる。その時合いに乗り遅れたなら、仕掛けを入れる時間よりも、仕掛けを上げておく時間の方が長くなり、釣りにならないことだってあるのだ。
青物も食いが落ち着けば、エサをかえて青物狙いを続けるもよし、またマダイから始めるのもよし。それとも底を狙ってクエなどを狙うのかは、あなた次第ということだ。
とにかく、イケスの中に入っている魚を、1匹でも多く釣ることを考えていれば、あっという間に釣り時間が過ぎ去っていくだろう。
<週刊つりニュース関西版 安田明彦 /TSURINEWS編>