2月は一切釣りに行っていなかった。厳冬期は、魚がまったく動かないというイメージがある。しかし昨年2月の釣果を見ていると、どうにも自分は、メバルをいくつか釣っているらしい。かなり行くのが億劫なポイントなのだが、鈍った体を動かすためにもメバリングに行ってみることにした。2時間で4尾を仕留め、この時期にしては上出来な釣行となった。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
厳冬期のメバリング釣行
釣行日は2月24日。この2週間前から気温が急激に上昇して、水温が10℃~11℃と上がった。ただ一度消えたメバルは、なかなか出てこない。どうしても釣ろうというなら条件を見て、場所を絞って、すでにパターン化したポイントをねちねち攻めるのみ。この日は昨年釣果のあった大阪湾奥のポイントに入り、釣行時間も2時間と決めた。
この日の最高気温は12℃と、暖かいとは言える。ただ、予感していた通り、夕から一気に気温が下がった。北西の風を消すことができる稀有な場所なのだが、それでも身が凍える思いだ。予備に持ってきておいたペラいパッカブルジャケットをダウンの下に着込み、身も心も竦ませながらスタートする。
表層トレースからスタート
極寒期のメバルは、ほとんどは海底に着く。それでも原則メバルは表層打ちからだ。ベイトフィッシュもいなさそうだし、たぶんプランクトンパターンだろう。壁際にプランクトンが押し流されていて、その表層で数少ないメバルが上を見てホバリングしているような海中のイメージを持ち、ワームをトレースしていった。
開始30分ほどで、何かが触る。たぶんメバルか、壁際のカサゴか。1か月ぶりくらいの魚のアタリである。釣れないのも覚悟しているので、なんとなくホッとするものがあった。
さあどうだ、と思いながら、一度通したポイントをワームカラーをかえてもう一度……よしヒット。ばしゃばしゃっと抵抗する姿が見える。いい型っぽい。足元まで寄せて、少しドラグを締めて抜き上げようとした瞬間、バラしてしまった。
寒さにめげずにボトムをふわふわ
この寒さで貴重なヒットを手前バラシしたことは痛い。多少なり場にプレッシャーもかかっただろうし、寒さにもそろそろ泣きが入る。釣り始めて1時間弱だが、グローブから出た指先の感覚はほとんどない。
表層から魚の気配が消えたので、ジグヘッドを少し重くする。1.2g。だんだんとレンジを下げていって、ボトムの上らへんをふわふわさせていると、来た。追いアワセを入れて、早めにドラグを締めて、ほとんど勢いだけで一方的に釣り上げてくる。
23cmくらい。いいサイズだ。良かった、助かった。
そのあと、ゴム板周りでもう1尾追加。ボトムまで落として、ちょっと誘いあげるみたいにロッドを立てた瞬間にバイトした。やはりストラクチャー、海底の地形変化着きなのだ。
プラグ遠投で2尾追加
ここで大人しく帰っても良かったのだが、なんだかんだ寒さに凍えながら、ここまで1時間しか経っていない。あと少し頑張れそうだ、ということで作戦を大きくかえることに。プラグを付けて、足場のはるか向こうにできている、バイパスの灯りの明暗がこぼれているエリアにフルキャストする。50mは離れているだろう。飛ぶのはせいぜい30mほど。
プラグをローテーションしながら、あまり自分らしくないそんな強気の釣りをしていると、突然手元にググッと来た。あれれ?しかもなぜかこっちに泳いでくる。壁に張り付こうとしたヤツを、うまいこと竿でためて上を向かせる。上がってきたのは25cmのメバル!!
さっきのワームで釣れたヤツより、ずっと嬉しい。メバリングに関してはほとんどキワ釣り一本の自分が、プラグで格好いい釣り方ができるなんて。もうひとつ、蓄光ルアーに切り替えると、後ろから追尾してきたのか、今度は足元近くでバイト。22cmとこれも良型。
潔く引いて終了
そのあともプラグでもう少し狙ったのだが、さすがに食い気が失せたのか、合計4尾で上がった。2時間にセットしていたアラームが鳴って、終了。釣果が伴ったので潔く引くことができた。実績あるポイントで、手数の限りを尽くせば、この時期でも何とかなるかも?
<井上海生/TSURINEWSライター>
大阪湾奥