季節は秋から冬へとかわり、気温とともに水温が徐々に下がりだした。12月は、待ちに待った寒グレシーズンの開幕となる。秋グレシーズンは水温が高いため、コッパグレやエサ取りなどがじゃまをして、良型グレはなかなか釣れない。しかし、グレの適水温となる12月は、エサ取りが減り、良型のグレが狙える時期である。さらに12月は、グレに脂が乗りだし、食べてもおいしい季節である。釣ってもよし、食べてもよしで、どちらも楽しめる。今回は、初冬のグレ釣りについて解説したいと思う。
寒グレ釣りと天候
次にこの時期、注意したいことがいくつかある。
まず、この時期になると、季節風の影響で北西風が強まる日が多くなる。当日の天候や気象状況に合わせて、釣り場を選択しなければならない。
日本海側では、まともに北西風の影響を受けるため、風裏となるエリアは非常に少ない。しかし、タイミングよく沖磯に渡ることができれば、数釣りと良型が釣れる確率は高い。
一方、太平洋側の和歌山県や三重県では、北西風の影響が小さいエリアが多く、この時期は太平洋側をお勧めする。三重県では北西風が強く吹く天候でも、紀伊半島の風裏となるため、ほとんどの磯で釣りが可能だ。
しかし、和歌山県下は北西風の影響を受けやすいエリアがある。特に中紀エリアは、北西風の影響を受けやすく、天候のいい日でないと渡礁できない場合がある。和歌山県下でも北西風の影響が比較的小さいエリアは南紀エリアである。
白浜より南のエリアは、北西風の影響を受けにくい磯が多く、その中でも、串本や勝浦エリアは特に北西風の影響を受けにくいので、冬型の気圧配置などで北よりの風が強まるようなら、その方面に出かけるのが得策だ。
風向き、風速、波の高さは必ずチェックし、当日、快適に釣りができるエリアを選択したい。
寒グレ釣りと水温
朝晩、急に冷え込む日が出てくるこの時期、急激な水温低下の影響によって、一気にグレの食いが悪くなることがある。
水温が1度下がると、水温に敏感なグレは食いが悪くなる。釣行前に、水温や太平洋側では、黒潮の流れを確認することも重要である。
寒グレポイント1:同調
釣行当日に食いが悪い状況下で、私が意識するポイントをいくつか紹介したいと思う。
私が意識するのは、どのようにしてグレの口にさしエサを届けるか…である。
そこでもやはり基本動作が重要になってくる。しっかりと、まきエサとさしエサを合わせる「同調」を考える。
グレ釣りはまきエサの中にさしエサが混じることで、グレが違和感なくさしエサを捕食する。
活性が高い場合は、まきエサとさしエサがズレていても食いはかわらないが、食いが悪くなると、さしエサを見切ってしまい、反応を得られないことが多い。そのため、しっかりとまきエサとさしエサを合わせること。
寒グレポイント2:タナ
次にさしエサが取られるタナを調べる。小まめにウキ下の調整をし、さしエサの取られるタナを探り、さしエサが取られたタナをじっくり攻める。
水温が低くなれば、エサを取ってくるのはエサ取りではなくグレの場合が多い。
さしエサを取られたタナがグレのタナと仮定し、狙ってみよう。
活性が低いグレは、ウキに反応が出にくく、さしエサのみをついばんで取っていく場合がよくある。さしエサの捕食時、上下運動の距離が短かく、その場で居食いすることもある。そのため、アタリが出にくい。
そんなときはウキ下の調整を小まめに行い、アタリウキを付ける、ハリのサイズを小さくするなどの工夫が必要になる。基本的なことではあるが、食いが悪いときほど、基本を忠実にグレを狙っていただきたい。