第60回のテーマは「ワクワクフィールド野田幸手園で道場破り」。どこの会にも属さない一匹狼の吉田が、同池愛好会に殴り込みをかける。取材日は10月20日(金)。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
野田幸手園愛好会へ殴り込み
国語辞書によると、道場破りとはこう書かれている。
武芸の修業者が他流の道場で試合をして、相手方をすべて打ち負かすこと。またはその人。
マルキユーインストラクターをつかまえて修業者とはいささか違和感がないでもないが、常にチャレンジする精神という意味では共通するものがあるだろう。
他流の道場とは言わずもがな、今回はワクワクフィールド野田幸手園愛好会のこと。吉田はどこの会にも所属していないので流派(会)とは無縁だが、今回はさまよう一匹狼と称しておこう。さらに相手方すべてを打ち負かしてこその道場破りなので、愛好会優勝が絶対条件となる。
プレッシャーはある?
「大いにありますよ。幸手園愛好会と言えば猛者ぞろいで有名ですし、そもそも池を知り尽くした人たちですから」
プレッシャーと言えば勝てば2連覇だった今年のシマノジャパンカップも、相当なものだったんじゃない?
「正直、ハンパじゃなかったです」
でも結果は2位。詳細は知らないけど優勝とは僅差だったんでしょ?
「はい。でも負けは負けです」
どんな釣りだったの?
「チョウチンウドンセットです。なので指先の感触が今だ残っているこの釣り方で、今日も挑もうと思ってます」
なるほどね。わずか5日前までさんざんやった釣り方だから、その流れに乗ってしまおうって魂胆だね。でも、だとしたらまた僅差で敗れたりしてね。不吉なことをいうようだけど(笑)。
「イヤだなぁ、カンベンしてくださいよー」
ホタチョーの名手登場
参加31人。使用桟橋は竹&桜で、釣り座は抽選順の偶数番号限定。競技ルールは池規定。なお当日の朝はアカシアともみじ桟橋の間から2枚半1kgで1t弱の新ベラ放流があった。これがどう釣況に影響するかも見もの。
会からの温情かそれとも取材ということもあったのか、一番入場となった吉田が選んだのは竹桟橋事務所向きの釣り座360番。フーッとひと息ついたと思ったら、一席空けた左隣に座ったのが何と、今期すでに同愛好会で6回優勝の平澤二朗氏(昭和23年生まれ・草加市在住)だった。
この時、何となく吉田の顔がこわばった気がした。しかし業界のことに疎い記者は、同氏を存じ上げなくてスルーしてしまった。
「関口さん、ヤバいですよ。平澤さんが隣に来ちゃいました(汗)」
それがどうしたの?
「どうしたもこうしたもないですよ。平澤さんを知らないんですか?」
うん。そんなに凄い人なの?
「凄いも何にもボクが子どもの時から一線級で活躍して、今も現役バリバリの方ですよ」
あら、そうなの。だったら取材的にはなおさら好都合だね(笑)。
「参ったなぁ、よりによって平澤さんかぁ。だとしたらちょっと釣り方を考えないといけないですね」
と言うと?
「平澤さんはホタチョーの名手なんです。今日もおそらくこの釣りでくるでしょう。つまり大きなバラケを打つ釣りなんですよ」
それくらいオレだって知ってるよ。一日でバラケマッハを何袋も打つ釣りだよね。でも実際の釣りをこの目で見たことがないから、今日は近くで見物できるいいチャンスだな(笑)。
「そんなこと言ってる場合じゃないですよ。寄せ負けしちゃうかもしれないんですよ」
だったら吉田も負けじとデカいバラケを打って寄せればいいじゃない。
「そんな簡単に言わないでくださいよー」
次回も「野田幸手園で道場破り」です。
<週刊へらニュース編集部・関口/TSURINEWS編>