今週のヘラブナ推薦釣り場2023【静岡・西大谷池】

今週のヘラブナ推薦釣り場2023【静岡・西大谷池】

ここのところ静岡がマイムーブの編集部記者。関東からはやや遠いが、ドライブがてら出かける楽しさを味わっている。今回は同県掛川市にある西大谷池にスポットを当ててみた。近隣の七曲の池と同様によく釣れるとのことだったが、取材日当日は強風かつ悪いほうの日並みに当たってしまったようだ。恐らくは端境期のせいなので、冷え込みが安定すれば徐々に釣果も持ち直すだろう。泊まりがけで両方の池を狙ってみるのも面白いかもしれない。

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西大谷池のへら釣り概況

「西大谷池を命と燃えるへら鮒釣り迷人でござる」。遠州横須賀倶楽部若年寄・小田泰巳。同氏名刺より抜粋。

同池の湖畔で喫茶・櫟を営むかたわら(本業は別)、釣り場整備、桟橋管理などに心血を注ぎ込む。しかも「誰も手軽に楽しんでほしい」と入釣料や桟橋使用料は取らず、オープンから一貫して無料を貫く熱血管理人。それが前述した小田氏だ。

記者は今回はじめてお目にかかったが、同池に注ぎ込む熱き魂は心を打つものがあった。人によってはうざったいなどと煙たがる人もいると聞くが、小田氏がいなかったらここまで釣れる釣り場へは発展しなかっただろう。西大谷池とはまさにそういう釣り場だ。

釣らせてもらっているという感謝の気持ちを忘れずに、一度は釣行計画を練ってみてほしい。なお、その際は湖畔喫茶・櫟でのランチ利用もプランに加えて頂きたい。

釣況はと言うと端境期に入ったのか、日並みの差が多くなっているらしい。夏の釣りの延長戦で爆釣劇を演じられる日もあれば、そこそこの釣果で終わってしまうこともあるそうだ。盛期ほどジャミが動かないので釣りやすさは増しているが、本命の動きが鈍い日並みに当たると若干だが苦労させられる場面もあるだろう。だからと言ってオデコはないだろう。10月5日現在、水位は満水(オーバーフロー)から約1m減。

なお近くには七曲の池もある。こちらも西大谷池同様によく釣れる釣り場なので、宿泊して両池を狙うのもお勧め。菊川IC近くにホテルルートイン菊川インターあり。

今週のヘラブナ推薦釣り場2023【静岡・西大谷池】湖畔喫茶・櫟(くぬぎ)(提供:週刊へらニュース編集部)

西大谷池のポイント

浮き桟橋からの釣りがメイン。さらに日ごろの風向きやウキの見やすさを考えると、道路向きが主体と思われる。万力を取り付ける受け木はあるが必ずしも座面が平行ではないので、釣り台を持参したほうがベター。陸釣りならエン堤が主体で、この場合は釣り台が必携となる。

今週のヘラブナ推薦釣り場2023【静岡・西大谷池】西大谷池ポイント図(提供:週刊へらニュース編集部)

釣り方とエサ

続いて西大谷池の釣り方とエサを解説する。

宙釣り

桟橋なら足元から水深があるのでチョウチン釣りが可能で、これからは浅ダナよりもチョウチンが上向くと思われる。竿は9~13尺。エサは両ダンゴを主軸にトロ巻きセットも準備しておくと安心だ。

ここでの注意点はジャミ。時期的に静かになるシーズンだが、それでも日並み次第でこの魚が活気づくことも多々ある。対策としてはバラけるエサを打つこと。そして大バリ使用だ。

普段なら持つはずのエサが持たない。そこで練りを加えてしまうと、トップはナジんでもジャミアタリばかり。それでもヘラが寄ってくればいいが、いつまでもジャミアタリが消えないのは寄せが足りない、もしくはタナが合っていないのどちらかだ。

前者なら普段どおりのエサを打って本命が寄るまでひたすら打つ。それでヘラが寄れば、必然とナジミが入りウキの動きも静かになる。後者だと思うなら迷わず竿替えを試してみるべきだろう。とくに並びの人が釣れていて自分だけ釣れないのなら、即座にその人の竿長に合わせるべきだ。

さらによりウキの動きを静かにさせたいなら大バリだ。アベレージサイズが尺前後だと仮にバラサなら5号前後でも十分だが、そこをあえてセッサやプロストの10号、あるいはサイト13号を使ってみる。エサを練って持たせるのでなくハリを大きくして持たせる。大バリだと使えるエサの幅も格段に広がる。経験上、尺前後でもサイト13号は楽に食ってくるので、ジャミに苦労させられる日は試してもらいたい。

なお普段小バリの人が大バリを使うと、エサの中心にハリが埋まらない事例が増える。とくに下から引き抜くハリ付けをする人は要注意。いくら大バリであっても中心に入らないハリ付けではエサを持たせられない。

さらに季節が進みグルテンを食ってくる時期になればジャミは気にしなくてもよく、普段どおりのエサとタックルで対応可能だろう。さらに極端に食い渋ったならウドンセットもあり得る。

今週のヘラブナ推薦釣り場2023【静岡・西大谷池】メインの浮き桟橋(提供:週刊へらニュース編集部)

底釣り

桟橋であれば竿14~18尺(水位次第)で底が取れる。エサは両ダンゴをメインに、これからはグルテンセットや両グルもあり得る。宙と違い大バリの効果が得られにくいので、ジャミがうるさい場合は開き気味の両ダンゴで対応し、気配が出てきたら締めたエサで釣っていく。なおジャミにグルテンは御法度。

関東から遠征して、持ちエサがなくて釣りきれなかったでは後悔しても仕切れない。せめて車の中にでも各種エサは準備しておきたい。幸い桟橋から駐車場までは大した距離ではないのだから。

釣行メモ

・入釣料…無料。釣り台用意

・アクセス…東名自動車道掛川ICを下りたら右折し袋井方面へ。一つ目の信号を左折し小隣信号(角にファミリーマート)を右折。約2km先の信号(直前左側に報徳の峠と書かれた看板)を右折。3.7km先にある潮汲之谷橋を渡ってすぐの砂利道を左折。行き止まりの駐車場が満車なら、同橋先を直進して喫茶・櫟の駐車場を利用

・問い合わせ…湖畔喫茶・櫟 TEL:0537(48)5562

<週刊へらニュース編集部/TSURINEWS編>

▼この釣り場について

この記事は『週刊へらニュース』2023年10月20日号に掲載された記事を再編集したものになります。