フグのカットウ&食わせ釣り解説 【エサ・仕掛け・釣り方のコツ】

フグのカットウ&食わせ釣り解説 【エサ・仕掛け・釣り方のコツ】

高級魚の代表格ともいえるフグ。毒があり捌くのに免許がいるため、アングラーからは単なるエサ取りとして嫌われることも多い魚です。そんなフグを食材として狙えるのが船でのフグ釣り。船宿の免許を持ったスタッフが捌いてくれるので毒の心配も不要です。今回はカットウ仕掛け&食わせ仕掛けで狙う、フグ釣りの基本を解説していきます。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

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船釣り エサ釣り

フグのカットウ釣り

冬の大型アカメフグシーズンなどに有効なカットウ仕掛け。仕掛けの詳細や釣り方を解説していきます。

カットウ釣りの仕掛け

基本の仕掛けはオモリと一体型になったエサ付け専用の針の下に、カットウ針と呼ばれる掛け針を1本ないし2本セットする仕掛けです。そのほかにも下オモリ式の仕掛けや、底釣りに特化した仕掛け、スレたフグに強いアーム式の仕掛けなどもあり、地域によって使う仕掛けが若干違ってきます。船宿に推奨のセット仕掛けが売られているので、最初はこれを購入するのがいいでしょう。

また、食わせが有利な小~中型フグやカワハギが混ざるときはカットウ仕掛けの上に食わせ仕掛けを装着したり、エサ付け針が食わせ針としての機能を持ったハイブリッド仕掛けを使うといった方法もあります。

フグのカットウ&食わせ釣り解説 【エサ・仕掛け・釣り方のコツ】カットウ仕掛け(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

仕掛けを自作するなら専用のカットウバリ14~15号に、フロロカーボンライン10~14号を15~20cm前後接続しましょう。2本のカットウバリを付けることが多く、その場合は段差を付けるため1本のハリスは少し短くします。根掛かりの多い釣りなので、数セットは用意しておきたいところです。

フグのカットウ&食わせ釣り解説 【エサ・仕掛け・釣り方のコツ】替えバリとオモリは多めに(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

カットウ釣りのオモリ

オモリは専用のものが市販されていて、カラーバリエーションが豊富。例えば曇っているときはグロー、晴れているときはアカキンやピンク、ホログラムシールが貼ってあるものが有効になります。同様に派手なオモリを使用するテンヤ用の遊動オモリや、タイラバ用のオモリを流用する人もいます。

テンヤやタイラバのオモリは高比重のタングステン製オモリが多く発売されており、シルエットを小さくして潮の影響を受けにくくできるので、速潮のときなどに釣りやすいというメリットがあります。

 

 

カットウ釣りに使うエサ

カットウ釣りで使われる主なエサは、アオヤギ(バカ貝)のむき身とブラックタイガーなど冷凍エビのむき身が使用されます。アオヤギは冷凍したものを販売している船宿が多いので、それを購入するのが手っ取り早いでしょう。エビのむき身を使うときは、塩を振り掛けて身を締めてから使うとハリ持ちがよくなります。

フグのカットウ&食わせ釣り解説 【エサ・仕掛け・釣り方のコツ】カットウのエサ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

エサはエサ針にたっぷりと付けます。この時、外れにくいように針に刺すことを心がけましょう。アオヤギなら外れにくい水管にハリを通し、縫い刺しにします。刺したらハリの軸の上方にこき上げ、2~3個のアオヤギをハリに付けていきます。これで集魚効果を高め、フグにアピールできます。エビは頭側の殻は剥いておき、尻尾側から針を付けます。

フグのカットウ&食わせ釣り解説 【エサ・仕掛け・釣り方のコツ】エビエサの付け方(作図:週刊つりニュース中部版 編集部)

カットウ釣りの釣り方と誘い方

エサを付けたらそっと仕掛けを投入。底を取ったらオモリが底に着くか、着かないかのいわゆる「ゼロテンション」でアタリを待つのが基本です。頻繁に根掛かりするような場所を狙う時は、50cmほど巻き上げた位置でアタリを待つ場合もあります。

フグのカットウ&食わせ釣り解説 【エサ・仕掛け・釣り方のコツ】タナ取りとアワセのイメージ(作図:週刊つりニュース関東版 編集部)

誘いを入れる場合は一定間隔でアワセにもなる誘い上げと、誘い下げを繰り返すタイム釣りが有効。待っている位置から50cmぐらいすーっと竿を持ち上げて少しポーズ、その後エビが自然落下するような速度でゆっくりとフォールして元の位置に戻しステイします。

底で釣る場合は着底後のステイ時に糸ふけが出ているとアタリが捉えられなくなるので注意しましょう。また、根掛かりの少ない場所では少しキャストして前述の誘いと同じような要領で、リフトアンドフォールしながら手前に探ってくるのも有効です。

カットウ釣りのアワセ方

アタリはフォールするエサをフグが見ていて、フォール中かステイ時にコツッとかコンコンというアタリが穂先に出ることが多いです。フォール中の場合はカットウ針の位置がフグの真下にあるかわからないので、底に着いて一呼吸してからアワセ。それ以外のときは即アワセをいれます。また、誘い上げ時もフグが針に引っかかて竿先がモタれるといった違和感が出たら、竿を持ち上げる速度を上げてアワセましょう。

アワセのコツとしてはカットウ=引っ掛けというイメージを持っている人も多いと思いますが、フグを引っ掛けようと素早いアワセや大きく竿をあおるのはNG。せっかくエサに寄ったフグを散らしてしまうことになります。ハリスの長さ分だけ、すっとずらすようなイメージで上に持ち上げましょう。フグが針に掛かればズシッという重量感が手元に伝わります。この瞬間がカットウ釣りの最大の醍醐味といえるでしょう。

カットウ釣りの巻き上げ方

フグがかかったら素早くリールを巻き、糸のテンションを緩めないように一定のスピードで巻き上げましょう。カットウバリにはカエシがないので、糸を緩めるとバラシの原因になりポンピングはNGです。

フグのカットウ&食わせ釣り解説 【エサ・仕掛け・釣り方のコツ】ラインを緩めないようにやり取りするのがコツ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

大型のフグだと青物のように横走りしたり、水面に向かって急上昇してきたりします。走ったときは竿の弾力でため、上に向かってきたときは一気に糸を巻き取りましょう。

釣果アップのコツ

注意点の一つとしては、エサの状態に気を配ること。フグは貝のワタが大好物で、ワタを全部食べられ水管だけになると極端にフグの寄りが悪くなります。ワタがなくなったら、すぐにエサを付け替えましょう。エビもアオヤギ同様にボロボロになったり、新鮮な半透明の身ではなく白くなったりすると食いが悪くなるので頻繁に付け替えます。

フグのカットウ&食わせ釣り解説 【エサ・仕掛け・釣り方のコツ】こまめにエサを替えるのが釣果UPのポイント(作図:週刊つりニュース中部版 編集部)

また、釣れない時間が続いたら、エサのチェックだけでなく針も見るようにしましょう。カットウ針がオモリに絡んでいたり、針先が曲がったり折れたりしていることも。特に岩礁帯がメインのポイントになる場合は、針先の損耗が激しくなります。釣りにおいて魚が直接見て口にするエサと、掛けるための針は重要なパーツ。エサと針の状態は常に気にかけるようにしましょう。

フグのカットウ&食わせ釣り解説 【エサ・仕掛け・釣り方のコツ】ハリの状態にも気を配ろう(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

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