タチウオ釣りといえば、電気ウキを用いたウキ釣り・テンヤの引き釣りの他、プラグやワインドタックルを利用したルアー釣りが有名だ。だが実は、バス釣りのリグとして有名なスプリットショットリグ+エサという組み合わせが良く釣れる、という事はほとんど知られていない。今回は、タチウオを追いかけて約20年の著者が食い渋り時に釣果を上げるためのメソッド、スプリットショットリグの引き釣りについて解説していこう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
スプリットショットリグ
スプリットショットリグとは、バス釣りの世界で昔から愛用されてきたリグ。リーダーにワーム用フックを結び、そこから距離を開けた場所にシンカー(オモリ)を打つという、非常にシンプルなものだ。海のエサ釣りの世界でいえば、探り釣りや穴釣りをするときの仕掛けに近い。
これはシンカーとエサが離れているために、タチウオがエサを咥えたときに違和感を感じにくいのが最大の特徴で、「テンヤでアタリはあるけどなかなか乗らない」といった食い渋り時に抜群の効果を発揮する。シンカーのウェイトも簡単に変更できるため、潮の流れが速くても遅くても対応する事ができる。道具立てもシンプルなので、ダメ元で手軽にチャレンジ出来るのも魅力だ。
使用するタックル
この釣り方におけるタックルは、引き釣りで使用しているものとほぼ同じものだ。詳しく見ていこう。
ロッド
軽めの仕掛けなので、遠くにキャストしやすいのはエギングロッド。食い込みを重視したい場合は柔らかめのシーバスロッドも良い。適合ルアーウェイトが3g~20g程度のライトなものがオススメだ。
リール
2500番程度のスピニングリールが最も扱いやすい。これにPEラインの1.2号を巻き、フロロカーボンラインのリーダー20lb~30lb(5号~7号)を1mほど結んでおこう。
仕掛け全体図
まずはリーダーに大きめのカミツブシオモリを1~3個、重さにして1号~2号程度取り付けておく。オモリをセットする場所は状況によって変えたいが、活性が高い場合は針から30cm上、渋い場合は60cm上を目安にしてほしい。フックは、軸が長いバス用のワームフック(オフセットフック)が最適。針の軸にラインが来ないよう、クリンチノットで結んでおこう。
著者はこのまま使用するが、ラインブレイクが気になる場合は、フックの上数センチにスリーブをセットしておくのも良い。ケミホタルは37~50番程度の物をサルカン周辺にセットしておくと、アタリを視認しやすくなる。
エサ
生きた魚をイメージして引きながら釣るため、キビナゴが小ぶりなイワシがベスト。ただし、大きすぎると食い込みが悪くなるため、オフセットフックのサイズに合ったものを使用したい。目から針を通して一度針先を抜いた後、胴体のやや尻尾よりの辺りに再度針を通す。針先は必ず出しておこう。