サケ(鮭)の「魚醤」が開発 実は様々なサカナで自作も可能だった?

サケ(鮭)の「魚醤」が開発 実は様々なサカナで自作も可能だった?

タイのナンプラー、ベトナムのニョクマム、日本のしょっつるなど各地に伝わる伝統調味料「魚醤」。様々な魚介類で作られており、実は自作も簡単です。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

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サケの「魚醤」が開発される

岩手県の水産加工業者が、県内で水揚げされるサケ(シロザケ)を原料とした「魚醤」を開発し、ちょっとした話題になっています。サケの廃棄される部位を用いて作った魚醤で、「鮭醤」と名付けられました。

サケ(鮭)の「魚醤」が開発 実は様々なサカナで自作も可能だった?サケ(提供:PhotoAC)

サケは一般的な魚では利用しない「氷頭(頭部の軟骨)」「めふん(腎臓)」といった部位も食用にされる魚で、利用可能部位が比較的多いと言えますが、それでも魚体の10%が廃棄されており、また20%ほどが未利用部位となっていて販売されたとしてもよい値段は尽きません。

今回の「鮭醤」は、これらの部位を有効活用する方法を考えた結果生み出されたのだそう。サケの水揚げが減少する中で、少しでも無駄をなくしたいという思いが開発につながったといいます。

各地にあるいろんな魚醤

大豆を塩や発酵スターターとともに発酵させ、旨味であるアミノ酸を取り出したものが醤油ですが、それに対して魚介類を塩とともに発酵させ、アミノ酸を取り出したものが魚醤です。

一般的な醤油よりも魚醤のほうが歴史は古く、古代ローマで用いられていたガルムをはじめ、歴史上様々な魚醤が作られてきました。現在も世界中で利用されており、東南アジアのナンプラーやニョクマムが有名です。

サケ(鮭)の「魚醤」が開発 実は様々なサカナで自作も可能だった?ナンプラー(提供:PhotoAC)

我が国でもハタハタを原料に作られた秋田のしょっつる、イカを原料とする石川のいしる、イカナゴを原料とする香川のいかなご醤油などの魚醤が生産されています。いずれも生の状態では不快な臭いを持ちますが、加熱すると食欲を誘う香りになり、強い旨味が料理を美味しくする不思議な調味料です。

魚醤は自作も可能

発酵のスターターとして麹を添加する必要がある醤油と異なり、魚介類が持つ酵素の力で勝手に発酵が始まる魚醤は製造がとても容易です。そのため古くは家庭で作られるのも一般的であり、今でも自作する人は少なくありません。

小魚であれば丸ごと、大きな魚であれば主に内臓を用いて、20~30%の塩とともに漬けて空気が入らないようにしながら放置する(落し蓋をして重しをするとよい)だけで魚醤のベースとなるものは作られます。1年ほど経ってから濾せば完成。市販品よりしょっぱいものの、旨味も非常に強いものができます。

サケ(鮭)の「魚醤」が開発 実は様々なサカナで自作も可能だった?ウツボ魚醤(提供:茸本朗)

どんな魚でも作ることができ、また魚によって味が異なるため、作り比べてみるのも面白いです。筆者は釣れすぎたカタクチイワシやクロホシイシモチなどの小魚で作ることが多いですが、かつてウツボのあらで作ったこともあり、これもまた美味しくできました。

魚醤造りは時間こそかかりますが、手間は全くかからないのでオススメです!

<脇本 哲朗/サカナ研究所>