「100均ルアーで釣って、それが面白いか?」と、とある釣りプロが言っていたが、筆者は普通に嬉しい。「100円ルアーでも釣れるんだ!」という、むしろある種"逆の感動"まである。ということで――でもないが、2023年夏の今大手100均で購入できるルアーフィッシング関連のお品を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
「新たな釣具店」100均ショップ
もはや次のようにさえ言ってでもいいのではないか。釣り人にとって、「100均は第2の釣具店である」と。それほど最近の100均では釣具が充実している。中には200円以上するものもあったりするが、それだってちゃんとしたメーカー品と比べたらずいぶんと安い。
どうかするとちょっとしたパックロッドやリール(は、どうだったかな……)まで売られていたりするが、このへんは避けた方がいい。これから釣りに入ろうという方は、ロッド&リールはちゃんと釣具店で、特にリールは大手二社から選ぶことを推奨する。ライントラブルが何よりも釣りをしていて鬱陶しいものなので、その元となるロッド&リール、そして釣りイトもまた釣具店で良いものを選んだ方がいい。
ルアーフィッシングのための100均釣具
では、ライトゲームからスーパーライトショアジギング、タチウオワインドまでを守備範囲とする筆者の感覚から、ルアーフィッシングに使える100均のお品を紹介する。
メタルジグ
メーカー品では通常500円~のメタルジグが100円である。
実用感から言うと、釣果はメーカー品と変わるとは思えない。ただ、最初からついているハリとスプリットリングが錆びやすいので、交換必須。一級品相当にするには、カスタム台がプラス200円ほどかかるので、実質300円のジグとなる。
メタルジグはロスト必至のルアーなので、ボトムの様子を見る「根がかり要員」として使うのもいい。魚はかからないがやはり地形把握のためにハリを外して投げてもよし、だ。
エギ
これもなかなか優れたお品、エギ。ただ、ちょっとハリ先の精度は怖いかな、と思う。特に低活性時や、ハイプレッシャーな場所では……。
筆者はあまりエギングをしないが、たとえばボトムをタイトに取るエギの複数付けの「犠牲」に使うには便利ではないだろうか?
ジグヘッド・ワーム・スナップ
一個一個紹介するには幅を取るので、ジグ単リグ三点セットを紹介する。ワームはいいと思うが、100均釣具の弱点はハリ先の鈍さなので、ジグヘッドはおすすめしない。
この中でもっとも優れているのは、筆者の感覚ではスナップである。
S社の0号スナップは、素晴らしく出来がいい。手に持ちやすいサイズで、ルアーの取り外しがしやすい。ライトゲームのプラッギングでは、筆者もS社以外のスナップはほとんど使わなくなった。
プラグ
上述のように賛否両論あるプラグである。「100均プラグで釣った魚を、子どもに見せられるか」なんて議論もあるようだが、私は釣りでは釣ることが至上命題だと思っているのでそんな格好みたいなモンには構わない。大体釣りそのものが子どもの遊びみたいなもんじゃないか。釣れるなら別に100円でも1500円でもいい。
ミノーや最近ではスピナーベイト、メバル用の小型シンキングなど種々のプラグが出ているが、筆者が最近買って満足しているのは、1.5gの小型クランクベイトだ。まだ釣果は出ていないが、ソルトクランクにはご存じ最近の釣りのハゼクラなど、大きなポテンシャルがあると思う。メーカー品も買い足して、来季のメバリングで実力を見てみたいと思う。
バイブレーションジグヘッド
さてさて、シーバスアングラーから大注目を浴びるバイブレーションジグヘッド。VJが時期になると毎年ほぼ売り切れになってしまい、それに伴い100均釣具コーナーでも品薄になる。見つけたときに買っておこう。ハリ周りをカスタムすれば、これもかなり使える。
タチウオワインドリグ
こいつもいい。タチウオのワインドリグである。なんとトレーラーフックまで販売されていたりする。ただ本体のトレブルフックは肝心要ではちょっと不安があるので、メーカー品に換装しておきたい。
その他ラインカッターやピンオンリールなど、本当に100均で一式そろうんじゃないかと言うほど充実しているが、筆者の知る限り実用レベルではこの程度。ここまでに留める。
「一部実用可能」と考えてうまく選ぼう
最後に、何度か繰り返している「実用性」について。やはり100均釣具はハリ周りが貧相という特徴がある。ハリで爪をひっかいてみるとわかるが、ツルツルと滑ってしまい、ほぼ使い物にならない。
たまにアタリみたいなハリもあるが、「たまのアタリ」は信用できない。ハリ周りは交換必須、そして「一部実用可能」というレベルで考えよう。何より実釣で釣果が得られるか、自ら試してみるしかない。
<井上海生/TSURINEWSライター>