今年も始まった伊勢湾の夜マダカ。納涼気分でのんびり楽しめる釣りだが、獲物は大型、駆け引きは繊細と奥の深さにも魅力がある。6月23日、この釣りの様子を取材すべく、知多半島先端の片名漁港を訪れた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 牧田亘)
優誠丸でマダカ釣り
午後6時半に出船、乗船したのは愛知県・南知多町にある片名漁港の優誠丸。同じ片名漁港で夜のマダカ釣りを楽しませてくれる磯部釣船・直栄丸とともに、たびたび週刊つりニュースに登場している船だ。
当日入ったのは、片名漁港を出てすぐの場所。水深は30m足らずで、アンカーリングされた船上からウタセエビをエサにマダカを狙う。18日夜には70~80cm級のスズキサイズを中心に、マダカと合わせて船中13匹の好釣果が出ている。その後もマダカや良型のマダイが連日上がっていたので、今夜も期待できそうだ。
気になるマダカ釣りの仕掛けだが、ウタセマダイとほぼ同じ。ハリス長1.5~2m、枝間2~3mほどの胴つき仕掛けだが、マダカが底付近で食うケースもあるので、捨てイトの長さは適宜調節する必要がある。
ウタセエビを適切に付ける
釣りのポイントは大きく分けて3つ。1つはウタセエビを適切に刺すこと。
口からハリを入れ、エビの顔の中心線を通ってツノの基部にわずかにハリ先を出す。
これがうまくできないと、エビが弱ったり、潮流を受けて回転してしまう。こうなっては釣果が望めない。
タナ取り&アタリの見極めも重要
2つ目は正確なタナ取り。マダカが極めて高活性な場合は多少の誤差も容認してくれるが、基本的に50cmズレたら釣果に差が開く。基本は底から2~3m上にハリスが位置するよう狙うが、底付近から4~5m上までが攻略範囲となるため、捜索範囲は結構広い。船長の指示ダナを参考にすると同時に、船中で食ったタナを共有し合うと相乗効果で釣果が増す。
3つ目は、繊細なアタリを逃さないこと。高活性のときはエビをひとのみにするが、普通はココッやコンと、まるでメバルのようなアタり方をする。アタリを捉えたら、ひと呼吸置いてアワせるのが昔からの正攻法だが、優誠丸の香川船長は即アワセを勧める。
その理由は、前者は昔の手釣り時代に編み出された技だから。サオの場合は、アタリの伝達、アワセが効くまでのタイムラグとも手釣りより遅れるため、即アワセぐらいがちょうどベストタイミングになるようだ。